スマホから推しがでてきた 続 【北信介】

体育祭 2 ページ3

「柘榴」

声をかけられ頬が緩んでしまう。

『北さん！』

北さんは白学ランを見事に着ている。

『北さん凄い白学ラン似合ってます！』

語彙がない私はそうれしか言えない。

「白学ランなんて始めて着たわ」

まじまじと自分の学ランを見てる北さん。顔が良い。

「俺は兎も角、柘榴もよお似合っとるわ。」

サラリと言ってのける北さん。

相変わらず天然タラシすぎて少し困る。

『そ、そうですかね…？』

北さんに褒められた、嬉しいと顔に出てる気がする

表情筋が言うことを聞いてくれない。

「おん。可愛ええわ」

そう言ってじゃ、と自分の持ち場に着く北さん。

ほんっとにもう、勘弁してくれ…！

「あんた北先輩といい感じやん、」

ゆいが隣で揶揄ってくるけどそれどころじゃない。

『あんなの、ずるすぎない？』

顔の火照りが収まらない気がする。

でも残酷ながら時は止まってくれないし、

応援合戦が始まった。








応援団のエール交換も終わり、更衣室で体操着に着替え直してる。

北さん、かっこよかったなあ。

あんなに白学ラン似合う人いるんだ、

ときめきメモリアルを感じて着替え終わり、

白組のスペースにもどる

「柘榴お疲れ」

『角名。ありがと』

角名は気怠げそうに椅子に座っていた。

「北さんの白学ラン姿、写真いる？」

ニヤリ、と口角を上げ角名はそう言う。

『うっ…いる』

揶揄割れるのを覚悟して写真を貰う。

「じゃらいんに送っとくね」

『うん、ありがと…』

面白い玩具を見つけた、とでも言うような顔をしている。悪い顔だ。

「報酬として後で話聞かせてもらうけど」

そう言いながら私のらいんに写真を送った。

『え、』

「事情聴取。」

さては、角名は元からこれが狙いだったのか。

してやられた。


『あっほら、1年の種目始まるよ』

そう言い話を逸らしたら、含み笑いをされた。

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