スマホから推しがでてきた 続 【北信介】

19日目 昼 ページ20

「柘榴先輩、いきなり呼び出してすいません」

『大丈夫だよ、どうしたの？』

ただ今後輩に呼び出されている、私でございます。

「えと、柘榴先輩は今付き合ってる人はいますか？」

『ううん、いないよ』

緊張したように聞いてきて可愛い。これが後輩

恋人がいないことを伝えると表情が明るくなり、

やがて決心したように眉を寄せる。

「好きです、付き合ってください！」

『ごめんね、私貴方のことまだよく知らないから』

「そ、そうですよ、ね」

その子は悲しそうに言う。

『だから、もっとお互いの事知って仲良くなろう？』

そう言うと花が咲くように笑う。

「あの、私咲希って言います！」

そう、私は今女の子に告白をされていたのだ。

体育祭から稀にこんな事が起こるようになった。

治君抱っこが原因なんだろうな。

咲希ちゃんとらいんを交換して教室に戻る。

「Aなしたん」

『女の子に告白もらった』

「ほーん、体育祭からやろな。かっこよかったで」

さして興味無さそうに言うゆい。

「てかもうすぐテストやけんな」

『あっ嘘でしょ思い出したくなかった』

そうだ、体育祭も終わり6月の半ば。

尺の都合によりあっという間に時は経っているのだ。

梅雨も明けているし制服なんかとっくに夏服だ。

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