純-Ki-F-【2】

Ki01＊心身不安定＊ ページ8

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長い間

レギュラーで出させて頂いた番組が

終わった。







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カチャカチャ…ガンッ





覚束ない手で鍵を差し込み

乱暴にドアを開ける。





外は既に少し明るくなり始めていて

チチチ…、と鳥が鳴く声が聞こえた。






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最終回の収録と

最後の打ち上げを全て終えて

自宅マンションにフラフラ戻ってきたのが

ついさっき。






「う゛〜…、ぎもちわり゛…」







この番組のプロデューサーが

ものすごい酒好きってのもあって

度数の高い酒を

しこたま飲まされた訳で…





すごく可愛がってくれてはいるけれど

目上の方ばっかりの飲み会で

酔い潰れる訳にはいかない。





３次会まであった打ち上げの途中途中で

アルコールを身体から出すために

汚い話だが、気合いで何度か自ら嘔吐した。





そのおかげで

胃がキリキリと痛んで仕方ねえ…





まあ、やらかしちゃいけねえって

ずーっと気が張ってたからか

番組が終わってしまったっていう

寂しさとかやるせなさとか

そういうのを感じなくてすんだってのは

有り難かったかもしんねえな…





…泣かなくて、すんだ。








「…っ、ぅ、」








ぐらぐら、目の前が揺れる。



家に帰ってきて気が緩んだからか

一気に身体に疲労と酔いが襲ってきた。





壁やドアに何度も激突しながら

やっとの思いでリビングまで辿り着く。




感覚が麻痺しているからか

ぶつけたところに痛みは全く感じなかった。









「う…、っ、みず…」








身体が水分を激しく欲しているけれど

冷蔵庫まで辿り着く気力なんてない。





ぼすっとソファに突っ伏した。

もう1ミリも動きたくねえ…。





明日…、てかもう今日か…。

７時には起きねーと…

しごと……





スマホのアラームを７時にセットして

顔の横に投げ捨てる。








「…吐、きそ……」








真っ暗な部屋にひとり。




酒のせいか…？




世界で一人だけ

取り残されたみたいな気分になる。







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