純-Ki-F-【2】

F01＊ドロドロ沼＊ ページ33

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パリッとしたYシャツに

真新しいスーツ。



慣れないネクタイを締めて

風を切って歩く。






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この春で俺も社会人。

社会に出るからには、しっかりしないとな。





キャリーケースをひきながら

胸をしゃんと張って大きく息を吸い込む。





着慣れないスーツに少し緊張しながら

目の前の男子寮を見上げた。






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「うわあ…、思ってたより綺麗」






明日の入社式に向けて

今日は早く寝たいところだけど、

寮の中、ちょっと探検したいよなあ〜。






「お、ここだ」





自分の部屋を見つけた時、

隣の部屋の扉がガチャッと開いた。







K「あれ？新顔」









少し明るめの髪にゆるくスウェットを着てる

先輩と思わしき人が声を掛けてきた。



耳に光るピアスと首元にはネックレス。






えーと、なんていうか…









「あ、お、お疲れ様です！藤ヶ谷といいます！」









チャラい。





え？社会人だよね？いいの、これ。









K「てかスーツて！出勤明日からだろ？真面目か！」








クツクツと笑う先輩の反応に

カーッと顔が熱くなる。







「そ、そんなにおかしいですかっ！？」






そんなに笑わなくても良くない！？

スーツなら間違いないって思っただけなんだけど…






K「ククッ…いや？問題ないよ、新人くん」





はー、おもしれ。って言いながら

近付いてきた、と思ったら。







K「俺、北山ってゆーんだけど。今日ヒマ？」







少し低い位置からいきなり腰を抱き寄せられて。





なに！？なになになに！？

怖い！この人！！








「えっ、は！？あ、新人の歓迎会ですか！？」







近い。…近いんだけど、








K「違う違う。二人で飲もーよ。うまい酒仕入れたとこなんだよねー」








いいでしょ？って。

耳元で無駄にイケメンボイス。




なに、ゾクゾクする。

…あ、睫毛、長い。







K「アンタと飲みたいんだ」







腰に伸びた手でグイッと引き寄せられて

ビクッと身体が跳ねる。



なに、チャラいんですけど。

てか、これ俺喰われない？大丈夫？




…ダメだ。ちょっと苦手なタイプかも。









「や、今日は少し寮の中を回ってみたいのでお断……」



K「はい、けってーい！寮は後で案内してやる！」



「え」






ずるずるずる、と

北山先輩の部屋へと連行される俺。





いや、まじで危ないって！これ！


誰かーーー！！！





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