純-Ki-F-【2】

Ki02 ページ17

.







「あ゛〜…、寒くなってきやがったな〜」







少し前まで半袖で平気で歩いていたのに

気付けば上着を羽織らないと肌寒くなっている。









「…」









夏はバーベキューもあるし海もきもちーし

もう一生夏でいてくれよ地球！！！




…なんて本気で思ってたけど








.








F『…美味しい！』








.









たかがコンビニおでんに

目ぇキラキラさせてさ。








.









F『宏光が買ってきてくれたおでん、今まで食べたおでんの中でいっちばん美味しい！』









.








んな可愛いこと言うもんだから

まんまと冬が大好きになっちまった。








.









.









「…ったく、しゃーねえなあ」









ふんっと意気込んでポケットに手ぇ突っ込んで

いつものコンビニのドアをくぐる。









.









「うーす、おっちゃん」



*「お〜、宏光。まだ生きてやがったか〜」



「あ？おっちゃんこそまだサボり癖治ってねーようだな。売りもんの本、立ち読みしてんじゃねえよ」



*「はっはっはっ！おでんだろ？なんの具だ？大根はいるだろ？」



「もちのろんよ。んーとね、卵とちくわぶも入れて。でっけーやつ。」



*「お？珍しいな、太っ腹じゃねーか」



「今年のおでん一発目だかんな」








.









久しぶりに会ったおっちゃんは

なんにも変わってなかった。







ひとつ、変わったことがあるとすれば。









.









「…お、これ新作のプリン？」



*「おー、なんか売れてるらしいぞ」



「んじゃ、これも追加で」



*「おまえのツラには似合わねえなあ」



「うし。さっきのサボり、店長に報告しとくわ」



*「お買い上げありがとうございます」



「最初からそう言いやがれ」









.









太輔のことを口にしなくなったことくらいか。









.

Ki03→←Ki01＊みっくんのコンビニ事情２＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す