純-Ki-F-【2】

Ki03 ページ14

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少しずつ、

少しずつ、





でも、確実に

俺の口に酒を流し込む藤ヶ谷。






喉が、

食道が、

胃が、



…焼け付くようにアルコールに支配されていく。








F「すっごい…、全部呑めたね…」


「んぅ…っ、は…、」








つぅー、と飲み切れなかったアルコールが

口端から伝っていくのがわかる。



それなのに、頭がぼーっとして

拭わないと、という気持ちにはなれなかった。






カラン…、






さっきまで並々入っていたはずのグラスは

藤ヶ谷の言う通り、すっかり空になっていて。


藤ヶ谷の手で机へ置かれた瞬間、

氷がグラスとぶつかる、綺麗な音がした。






「はぁ……、」







一気に流し込んだからか

吐き出す呼気にさえ

アルコールが含まれている気がする。





ゆらゆら、


ぐらぐら、





…ああ、なに流されてんだ俺。





ぐっと腰を抱き寄せられて

ふわりと髪を撫でられた。




ああ…、きもちー…かも、






F「きたやま、目が溶けてる。…かわいい」


「な…に、言っ…





くちゅ…






口を開いた俺を黙らせるように

濡れた唇を親指でなぞっていく。




瞬間、首元から頭のてっぺんまで

ぼっと熱が爆発したような感覚に陥った。





なっ…、


ななななな……っ！？






バッと身体を離して目を見開くと、

新しいグラスを手に持った藤ヶ谷が

クスリと笑った。








F「んー…もーすこし呑もっか、北山」







じぃ…、と射抜くような目。








…なんだ、ダメだ。



逆らえない。







.







.









「ん…っ、ふ…ぅ」


F「うん、…美味しいね」







ぼやーっと揺れる視線の先で

藤ヶ谷がフッと笑う。






…ああ、俺

こいつのこの表情、好きだなあ…






…なんて、考えてたら






F「……イイ顔、」







全て呑み切った俺の目を見て一言。

ゾクリ、背中が痺れる。








くちゅ…、

また水音が響いた。



今度は俺の口に親指を突っ込んで

舌先を擽られる。





「ん……ぅ、」







なに、…藤ヶ谷……？

おまえ、なにして…？








F「気持ちいいね？北山」







きもちいい……？


ああ…、たしかに、きもちいい…







クス、

また笑う声が聞こえる。







濡れた親指を引き抜いて

下唇と皮膚の境目をゆっくりと滑らせる。





「ふ…っ、」





ゾクゾク、と鳥肌が立つ。





ゆっくりと、じんわりと、

熱が身体に籠っていくみたいだ。





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