純-Ki-F-【2】

Ki02 ページ13

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「おい、何やって…」


F「んー…？ふふ、北山の足、きもちいい〜……」






正面に座る藤ヶ谷が

足先で器用に膝裏をつついてきたり

足首から内腿まですぅーっとなぞってきたり


やけに楽しそうに足をすりつけるから

もうどうでもいいかーってなって

素直に藤ヶ谷に左足を差し出してみる。






…なんだ、俺も結構酔ってんな。






今度は両足で俺の左足を抱え込み

ゆらゆらと楽しそうに揺らしては






F「んふふ〜〜〜♪北山笑ってる〜〜♪」






幸せそうな顔をする。







「笑ってねえよ」


F「え〜〜〜？」







この酔っ払いが。

って思いながらも






悪くねえかも、こんな時間も。








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コンコン、


店「失礼致します」









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「おい、どうすんだよこれ」





藤ヶ谷は空になったグラスを回収してもらって

さっき頼んだウイスキーロックを美味しそうに呑んでいる。




そして、俺の前には

並々入ったウイスキーロックが２杯。




いやおかしいだろ、どう考えても。








F「ねーー、呑んでよ北山」








今度は呑ませにかかるのか、この酔っ払いは。




トロンって溶けた目でねだってくる姿が

えろいんですけど。



…って、俺はまた何考えてんだ。







もぞもぞもぞ、






「ちょっ…なにやって…


F「はーーやーーくーーーー」







掘りごたつから這い出して俺の横に座る藤ヶ谷。

…つーか、狭いんですけど。







F「はい、呑んで。好きでしょ？」








好きですよ。うん、すっげー好きです。



でもな、よく考えろ藤ヶ谷。

このぐでんぐでんに酔っ払ったおまえを

家まで送り届けるのは誰だ？

俺まで潰れたら洒落になんねーっつーの。





少しだけ残った冷静な頭が警告を放つ。






F「ほら…」







カラン…、


涼しげな音を奏でるグラスと

紅潮した藤ヶ谷の顔を見て

ゴクリと喉が鳴る。





馬鹿。流されんな。駄目だ。






藤ヶ谷が持ち上げたグラスが

俺の唇に僅かに触れる。




冷えたグラスに

唇に溜まった熱が解放されるようで


…きもちいい、





気付けば左手は腰に回されている。






「呑んで、北山」






低く、甘い藤ヶ谷の声が

耳元で響いて、ぞくりと身体が震えた。






ゆっくり、グラスが傾けられて




「んっ…、んぅ……」





コクリ、コクリ、と

喉が焼けるように熱くなる。







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