純-Ki-F-【2】

Ki01＊たまにはサシ呑みでも如何でしょう＊ ページ12

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珍しく、藤ヶ谷とサシ呑みをしていた。





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何がどうなってこうなったのだろう。

もはや、きっかけなんて忘れてしまった。






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F「きたやまぁ〜…ねえもっとこっちおいでよ〜…」






こいつをこんなに酔わせたのは誰だ。



俺か。俺ですか。そうですか。



いやいや、こいつが勝手に呑んでて

気付いたらこうなってた訳で。






「おまえ、呑み過ぎ」






藤ヶ谷に付き合うように頼んだ

ウイスキーのロックに口を付ける。




掘りごたつ式の個室にして良かった。

椅子ならこいつ、転げ落ちてたんじゃね？







F「いーじゃ〜〜ん…、誰も見てないし明日もオフだしぃ〜…」







きたやまと呑めてうれしいんだもーんって

…なんだそれ、


ちょっと可愛いじゃねーか…




赤くなる顔を隠すようにして

また一口、酒を舐めるように呑む。






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普段は周りの目もあってか

あんまり俺に近付こうとしない藤ヶ谷。



俺も長年の周りからの藤北弄りのせいか

人前でこいつとどう接していいのか

年々わからなくなってきているのが

正直なところだ。



本当はもっと話したいのに…






…って、あれ？なんだこれ。






まるでこれじゃあ

藤ヶ谷に恋してるみたいじゃねえか…。







結局はエイベの思惑通りってか？



……あほらし、






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「…って、おい！一回押しゃわかるっつーの」


F「う〜………」






気付けば、目の前には

店員を呼ぶボタンを連打している藤ヶ谷。




それを止めるように手を掴むと





「―――っ」






手を絡み取られて、息が詰まった。





ゆらり、藤ヶ谷の目の色が変わって



視線を、外せない。









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コンコン、








「…っ！！」








店「失礼致します」









個室のドアがノックされる。

ハッと我に返って手を振りほどいた。








どくどくどくどく…っ、







なに…、今、なに、やって…、









F「ウイスキーロックを２杯お願いします」


店「かしこまりました」









何事もなかったかのように

さらりと注文をする藤ヶ谷。






店「失礼致しました」








…って





ん？







「おいおまえ、今何頼みやがった？」


F「え？ウイスキーロック２杯だけど？」


「それは誰が呑むんだ？」


F「俺と北山に決まってるじゃーん♪」


「よく見ろ、俺のグラスにはまだ並々…っ









藤ヶ谷の足が、悪戯に絡みつく。





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