【SERVAMP】吸血鬼の憩いの場 ４【女主】

145話 独りじゃない ページ2

『……有栖院さん……。』



私は そっと有栖院さんを抱き寄せた。



国｢…………！｣



『…私には…何があったのか…よく分かりませんけど……でも、"それ"を…独りで抱え込む必要はないと思うんです…。』



私の言葉を 抱きしめられたまま 静かに聞く有栖院さん…。


『……誰かに…頼ったり、話したりするのは…とても勇気のいることです。』



私も… 椿さん達に話すのが とても怖かった…。

自分の弱みというのは… そうそう話せるものじゃない…。


でもー…、



『…貴方はけして 独りなんかじゃないです…。だから……全てを抱え込まないで下さい…。』



ー… "私は 離れたりしません"から…。




抱きしめる腕に少し力を加えて 想いが伝わることを願う…。



国｢……ありがとう……はは、なんかAに話したら気が楽になったよ。｣


苦笑いをしているが 先程よりは…少し明るくなった気がする。



『……いえ…。』



私にできることは…これくらいだから…。



国｢………！！A！身体がー…ｯ｣



『……ｯ！！』




気がついた時には… 私の身体は透け始めていた…。



『…(そんな…私は まだきちんと話を聞けていない…ｯ)』



国｢…((ﾎﾞｿｯ…いつ消えるか分からない…って…本当だったんだ…。


…A！お別れの時みたいだね… もう少し いろいろ話したかったよ。…俺みたいな奴と沢山話してくれて ありがとう。

ー…すごく 楽しかった。｣



『…有栖院…さん…ｯ…』



国｢……それから…御園のこと…家族のこと…俺のこと…いろいろとありがとう…。｣



寂しそうに 笑いながらそう言う有栖院さん…。


国｢……ずっと…忘れないよ…。…お姉さんみたいに面白い人は初めてだったからね！


ーー…… さようなら A ……。｣



その言葉を聞いた途端 あの時の様に世界が反転したー…。









"ｸｽｸｽ"


"見つけられた？" "見つけられた？"









『………ん……。』



目が覚めた時ー… 私は 小さな…暗い部屋の床で寝ていた…。



『……(ここ……オトギリさんに連れてこられた所…だよね…夢…だったの…？)』




あれは一体 なんだったのだろう…。



だけど…一つ確かに分かったのは…、




この家の人… それぞれが 家族を守るために何かを隠している…って事だ…。



『……え…それより ちょっと待って！！今何日！？』



何週間も あそこにいたが…


今は 何日の何時頃なんだろう……。

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