【SERVAMP】吸血鬼の憩いの場 ３【女主】

96話 八人 ページ2

バサバサｯー…



音のした方を向くと、そこには ジェジェさんの被っていた紙袋が全て落ちていた…。


『…！』


もしかして…！


そう思って ジェジェさんの方へ目をやると…



国｢…はは、惜しいね。主人だけでその力…まあ鉄クンの才能は認めるよ。｣



有栖院さんが 肩に乗って自分の帽子で ジェジェさんの顔を隠していてー…。



国｢でもそんな大振りの技じゃあ ジェジェのお顔は披露できないな？｣


何だかズルイ… そう思ったが 千駄ヶ谷くんは｢そーか｣と言って納得してしまった…。


そんな様子を見て、城田くんは目を輝かせる。


真｢…すごいよ！このメンバーなら椿とだって、きっと戦える…っ！俺…はまだ全然だけど…｣


ク｢オレ一人くらい いなくても大丈夫そうだな…。｣


真｢…って、おい！｣




"椿とだって戦える"


『……(そっか…城田くんと椿さん達は…敵同士…)』


なぜ 戦うんだろう…。


椿さんが 求めているのは何なんだろう…。



戦う……


この先、本格的になったら…私はどうしたら良いんだろう…。


頭の中で考えていると、クロさんに声をかけられた。


ク｢…A？｣


『…は、はい！』


ボーッとしていた為、少し反応が遅れてしまう…。


ク｢…何か暗い顔してるけど…大丈夫か。｣


『…………すみません…大丈夫です…。』


すぐ 顔に出てしまうのが 私の悪いところなのかもしれない…。


ク｢……そうか。｣



少しの間のあと 軽くポンポン と頭を撫でられた。


『…(クロさんって…結構 私の事気づくな〜…。)』


いつも ちょっとした変化に気づいて声をかけてくれる…。


なんだかんだ言ってはいるが、とても優しい人なんだー…。


真｢それに御園もいるんだっ！八人そろえばもっと…！！｣


興奮気味に話す城田くんだったが、私は "御園"と有栖院くんの名前が呼ばれた瞬間に リリイさん達が寂しそうな笑顔になったのを見逃さなかった…。



『……？(有栖院さんにジェジェさん…それからリリイさんまで…どうしたんだろう…)』


気にはなるが… 今はそっとしておいた方が良さそうだ…。


『…(いつか きっと…分かる日がくるよね…)』


なんだか そんな気がして、私は深く聞かないでおく。



真｢よーし クロっ！俺達もやるぞっ！！｣



ク｢めんどくせーー…｣

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