最後の約束.*･ﾟ[Yuta Kishi]：1

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。Ｙｕｔａ Ｊｉｎｇｕｊｉ



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「神宮寺くんはキラキラしてるから

王子様役似合いそうだよねぇ...


私推薦してあげよっか！」



はぁ...


なんでそういうこと

サラッと言っちゃうかなぁ。



頭をガシガシとかいた後に

セットしていたことを忘れていて後悔した。



神「せんせー！

俺のイメージ的に

王子様は岸くんがいいと思いまーす！


あ、お姫様はAで。」



｢え？！なんでっ！無理だよ！！｣


岸「やっぱなぁ〜

俺王子様とか似合っちゃうんだよなぁ〜」



あっちもこっちも鈍感バカばっか。



岩「...バカだなぁ。」



隣の席の玄樹が俺に向かってつぶやいた。

え？俺も？



9月頭に行われる文化祭に向けて、演劇をするという事だけしか決まっていなかったSクラスは大慌て。


幸いにも空調の効いた校舎は

半袖だと肌寒いくらいで


外の暑さを感じることが出来るのは

学校から寮までの区間だけ。



岩「せんせー、俺脚本やります！」


宮「何言ってんだよ！

岩橋はプリンセスじゃないと。」


阿「お姫様のお姉さん役は？」

永「それ、絶対私の枠でしょ！」



本当だよ、玄樹、らしくない。



神「何考えてんだよ。」



小声で耳打ちすると、玄樹は真剣な顔付きで


岩「永瀬が俺に

『もうすぐしたらお兄ちゃんがAちゃんのこと迎えに来ると思うの。』

って、平然と言ってきた。


たぶん俺の反応見て本当に岩橋家の人間なのか見たんだと思う。

まんまとひっかかったよ。


じんは？似たような事無かった？」




ようやく点と点が繋がった。







永瀬はあの永瀬だということも

お兄ちゃんが指す人物が廉だということも



全てが繋がってしまった。





廉がAを迎えに来る。

俺と玄樹の立場は？

止めればいいのか？



廉も大切な幼馴染みなのに？




なんでだよ。

なんで...



いつから俺らは、

どこで俺らは、間違ったんだろう。




後戻りができないところまで来てしまった。



Aのことを知らないふりをし続けて1年。



それは無駄な努力なんかじゃないと

胸を張って言える自信は



もうなかった。




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