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『ちょ、哲人さん!痛いです』
居酒屋さんを出てから私の腕を掴んで
ずんずん歩く哲人さん
『哲人さんってば!』
強めに呼ぶとはっと気がついたように
Ys1「ごめん!大丈夫か?」
といつもの哲人さんに戻る
『約束なんかしてませんでしたよね?
急にどうしました??』
すると少しだけ口ごもってすぐに
Ys1「昨日の夜の電話の話」
電灯の光しかない道路
その電灯も間隔が空いていて頼りない
この暗さのせいか
人通りは少なく
聞こえるのは風の音だけ
『あ、、、いや、あれは』
Ys1「嘘なん?」
立ち止まってさっきまで強く掴んでいた
腕を今度は優しく掴む
『……嘘じゃ…ないです』
Ys1「俺のこと好き?」
え、なにこの質問
『哲人さんまだ酔ってるんですか?
もうお水買ってくるんで座っててください!』
そういって自販機に行こうとすると
優しく掴んでたはずの手が
また強くなって
Ys1「酔ってないで、
なあ、はぐらかさんとって
俺のこと好き?」
ジリジリと寄ってくる体
いや、これは
酔ってる!はず
『す、、』
Ys1「す?」
『好きです!野球選手として!!』
はぁ、と一つため息をされた
Ys1「俺は好きやで、Aのこと
女として」
ん、、、、??
『いや、嘘です』
Ys1「嘘じゃない、」
『だって、アナウンサーの人と』
Ys1「ああいうやつは大体デタラメや」
いや、だって信じられへん
『私まだほとんど高校生ですよ?
哲人さんは26ですし』
Ys1「うん、分かってる。
だから無理には言わんけど、
もしちょっとでも俺のこと好きなら
あと4年待ってくれへん?」
『……なんでですか?』
Ys1「Aがプロ4年目で、
俺がメジャー行ける歳になったら
誰も反対せんやろ?」
ん、それはつまり、
……………結婚ってこと??
Ys1「すぐに決めろとは言わん
けどちょっと考えといて」
帰ろ、と手を繋いで
ジャイアンツのホテルまで送ってもらった
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