カッコイイ男:3 ページ7
店員から淹れたての珈琲のカップを受け取ると、Aは黄瀬に手渡した
そして、桃井の厚意と黄瀬の時間を取らせたことに、申し訳なく思いながら
少しだけお世辞を込めて、視線を横に向けながら呟いた
「初対面の黄瀬さんが、私の想像以上に素敵な男性だったので、付き合ってもらうには申し訳ないな、と思ったんです」
「、、、ふーん、なるほどね。アンタの言い分は分かったッス。
でもこうして桃っちの紹介で会ったわけだし、少しくらい喋ろうよ。ほら、桃っちの顔を立ててさ」
小声で話していたはずが、黄瀬が目立つせいで2人は注目の的になっていた
目立つのが大嫌いなAが露骨に顔を顰めると、黄瀬は苦笑しながら財布から小銭を取り出し、珈琲代をAの手に押し付け席まで追い立てる
席で肩を落としていた桃井が心配そうな顔で出迎えてくれた
「Aちゃん。なんだか、ごめんね。」
「桃っちが謝る必要ないっスよ。今、ちょっと話したんスけど、俺たち意外と気が合いそうだし。ね、白井サン」
落ち込んでる桃井に向かって黄瀬がすかさずそう言い、目配せしてくる
『桃っちの顔を立てて』
先程の黄瀬の言葉を思い出して、Aは深く息を吐いた
元々と言えば、Aが男性を紹介して欲しいと頼んだのである
ここまできて、桃井の厚意を無かったことにするのは、黄瀬だけでなく桃井にも失礼だ
Aは我が儘を言いすぎたな、と反省しながら少しくらいは彼と話してみようと思い直した
黄瀬は見るからに派手な見た目だが、容姿で人を判断してはいけない
桃井を気遣う素振りも見せているし、何より信頼している友人の紹介だ
きっと人柄はいいのだろう
「、、、そう、だね。気が合いそうだから、少し話してみようと思う。桃井ちゃん、ありがとね」
「本当?よかったあ〜」
桃井が顔を綻ばせ、ほっと肩の力を抜いた。
Aも頬を緩めると、桃井の隣に腰を下ろした。
二人のやり取りを眺めていた黄瀬も、珈琲のカップを持ったまま向かいの席に座った
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noa(プロフ) - もし黄瀬くんがきてくれたらいいですよね~。想像しただけで幸せな気分になれます(*^ー^)ノ♪続きが楽しみです。頑張って下さい! (2017年11月5日 8時) (レス) id: f63b85c446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キセキ | 作成日時:2017年11月3日 15時