カッコイイ男:2 ページ6
Aが声量を落とすと、桃井が数秒ほど沈黙して手を握り返してきた
「これは私の偏見かもしれない。だけど、人柄がどうかという前に人目を惹く男性だけは、、、どうしても_____」
「ねぇねぇ、挨拶も碌にしてないのに、何をコソコソ話してるんスか?」
真後ろから声が聞こえて、Aはギクリの肩を強ばらせたが、平然を装って振り返る
そこには腕を組み、苦笑しながら立っている黄瀬
放置させるのが耐えられず、痺れを切らしてやって来たらしい
Aは一瞬だけ黄瀬の顔を見ると、視線を微妙にずらして頭を下げる
「お待たせして、すいません。席へ戻りましょうか」
「桃っちとの話はもういいんスか?」
「はい。終わったので」
「Aちゃん、、、」
桃井の手を引いて席に戻ると、黄瀬はついてきて先程と同じ、向かいの席に腰を下ろした
周囲から女性の視線を感じながら、Aは堅苦しい口調で言った
「今日は、来てくださってありがとうございます」
「あぁ、、、いえいえ、こちらこそ、どうも」
「何か飲みます?」
「そうっスねぇ。それじゃ、ブラックコーヒーにしようかな」
最後まで聞かずに、Aは鞄から財布を取り出し、席を立ってカウンターに向かう
スタバは前払い制なので珈琲を一つ頼み、レジで会計を済ませようとすると、黄瀬が慌てたように追いかけてきた
「自分で払うから」
「いえ、遠慮しないでください」
「初対面で、しかも女性に払ってもらう訳にはいかないし」
「わざわざ来てくださったお礼です。この後、私はすぐに帰るので」
「、、、へ?帰るって、俺はまだ来たばかりなんスけど」
Aは黄瀬の制止を振り切って手早く金を払い、受け取り口へと向かいながら伏せ目がちに謝罪する
「すいません。桃井ちゃんと黄瀬さんには失礼だと分かっているんですが、先程の電話で話した件は無かったことにしてくれませんか?」
「つまり、こうして俺と会ってみて、アンタは俺と付き合いたくないと思った。ってワケ?」
「、、、少し違いますかね」
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noa(プロフ) - もし黄瀬くんがきてくれたらいいですよね~。想像しただけで幸せな気分になれます(*^ー^)ノ♪続きが楽しみです。頑張って下さい! (2017年11月5日 8時) (レス) id: f63b85c446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キセキ | 作成日時:2017年11月3日 15時