電話越しのはじめまして:1 ページ3
“大ちゃん”というのは桃井の幼なじみで青峰大輝という男だ
今はアメリカのプロバスケ、NBAでプレイしている
桐皇学園に通っていたAは、青峰とも同じクラスだったので面識はあった
桃井繋がりで、今も彼とはアメリカから帰ってきた時などに食事に行ったりする間柄である
おもむろに携帯を取り出す桃井の顔を見つめていたら、「確認してみるね」と言って誰かに電話をかけ始める
「もしもし、きーちゃん?久しぶり〜。今大丈夫?、、え、日本に帰ってきてるの?オフシーズンだもんね」
日本に帰ってきている?オフシーズン?
もしかして海外在住のスポーツ選手か何かだろうか?
平凡なAとは釣り合わないくらい、ハイスペックな相手だったらどうしよう
確かに稼ぎはあった方がいいが、もう人並みでいい気がしてきた
動揺のあまり、ストローをくわえる歯に力を込めると、桃井は軽やかな笑い声をあげた
「大ちゃんとも会ったんだー。うん、そうだね。帰ってきたらキセキの皆を誘ってストバスしに行こ。
あ、それで、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、きーちゃん付き合ってる人いないよね?」
桃井がド直球な質問をしてAに目配せしてくる。その流れで躊躇なく恋人の有無を聞ける桃井のメンタルの強さに感心しながら
Aは不安半分、興味半分の心持ちで耳を澄ませた
「え、私?やだも〜。私はテツ君一筋だから」
しかも、満面の笑顔で相手を切り捨てている
“テツ君”というのは桃井の彼氏黒子テツヤだ。
時々、二人の仲の良さを桃井から聞いたりするのだが
もしかしたら、桃井と黒子のその楽しさを羨ましいと思ったから自分も彼氏が欲しいなんて言い出したのかもしれない
「私じゃなくて例の友達。恋人が欲しいみたいで、どうかなーって。
あ、でもちょっと男の人嫌いなの。だから、、、うん?話したいの?」
桃井がチラとAに目線を向けてきた
「一緒にいるけど、ちょっと待ってね。
、、、Aちゃん、きーちゃんと話してみる?」
「いや、私は」
『もしもーし!』
手渡されたスマホから明るい声が聞こえた
Aが固まっていると、桃井がそっと肩をつついてきた
「きーちゃん、優しいから大丈夫。ちょっとだけ話してみなよ」
「え、ええ、、、。もしもし」
Aは戸惑いながらも、スマホに耳に当てた
『はい、こんにちは。黄瀬涼太っス』
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noa(プロフ) - もし黄瀬くんがきてくれたらいいですよね~。想像しただけで幸せな気分になれます(*^ー^)ノ♪続きが楽しみです。頑張って下さい! (2017年11月5日 8時) (レス) id: f63b85c446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キセキ | 作成日時:2017年11月3日 15時