28話 ページ32
.
「ハンデなんて、要らないよ。」
サクヤのその言葉を聞くと、二人は高笑いする。サクヤの言葉を二人は強がりだと思ったのだ。
「はははっ！そんなに強がらないでくれよ、フローディア。」
「安心したまえ、僕らは わ ざ と 痛がってあげるよ。」
最後のデュアルの言葉に観客席にいた貴族に、どっと笑いが起こる。そんなことを言われてもサクヤは涼しげな顔をしていた。
(こんなものめんどくさい、早く終わらせたいな)
胸中で呟いたサクヤは、壁に立て掛けられていた練習用の剣を持ち、構える。剣はここ数ヵ月使っていなかったが、コイツらを倒すくらいは出来るだろう。
すると双子もサクヤと同じ剣を持ち、構えた。
双者とも睨み合っている状態が数十秒続き、先に動いたのは双子の貴族の方だった。相手は全力のつもりだが、サクヤにはとても遅く感じる。こんなんでは逆に戦いづらい。
双子が同時にサクヤのいるところへ剣を降り下ろすが、サクヤはそれを避けて相手の懐へ潜り込み鳩尾を殴った。
その衝撃で二人のバランスが後ろへ傾くと、首筋に手刀を当てて気絶させた。
一瞬の出来事に、訓練室がしーんと静まり返る。動きは、学生の速さに合わせているから大丈夫な、はずだ。
この状況をどうにかしたいが、どうすることも出来ない。するとタイミング良く、フィーネ先生が駆けつけた。
「はーい、いつまでもここにいないの。今はもう放課後よ？各自寮に戻りなさい！」
手を叩き、生徒達を促すフィーネ。半分ほどが帰ると、体を180度回転させサクヤ向き合うようになる。
「さてと、サクヤ。あなたにはこれまでの過程を話してもらおうかしら。決闘は教師の許可無く行うのは、禁止よ？」
「……すいません。実は……」
と、今までのことを全て話した。
「そうだったの。まあ、あの子達の事だから、大体の予想はついていたけど。」
呆れ半分に失神している双子を見つめるフィーネ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シャル♪黒猫大好き人間(プロフ) - ミントさん» ありがとうございます！！私もこの表紙結構気に入ってるんです(笑)更新がんばりますのでこれからもよろしくお願いします(*｀・ω-)ノ (2020年2月28日 23時) (
レス) id: 6e2bf13c08 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - 表紙の蝶とか彼岸花とか凄く好きです！物語も、とても面白いです！更新頑張って下さい！ (2020年2月28日 21時) (レス) id: d935f18f17 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな♪(プロフ) - 月の芋さん» ひ、久しぶりのコメントっ……！(T-T)ありがとうございます！更新は遅い方ですが、これからもよろしくお願いします！(^∇^) (2019年8月29日 22時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
月の芋 - あぁ！！なんて面白い作品なんだぁぁ！あ、すみません(._. 面白くて好きです！応援してます。続き楽しみにしてます！(`・∀・´ (2019年8月29日 20時) (レス) id: de5541b525 (このIDを非表示/違反報告)
如月唯奈(プロフ) - 今日から新しい時代が始まりました！今時代(？)こそ良いことが起こりますように！そして、この小説で一位をとってみたいなんて、贅沢を言ってみる(笑)これからもよろしくお願いします！ (2019年5月1日 3時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シャル(如月唯奈) | 作成日時：2018年10月24日 1時
