36話 ページ40
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「うおっ!凄いな、今度俺に教えてくれよ?」
「はいっ!」
ベイルがニカッと笑うと、それに肯定してルナも笑顔で返す。……途中で小さな舌打ちが聴こえたが、聴かなかった事にしておこう。
それよりも、サクヤはロアの視線が気になっていた。ルナの上級魔法が出来るという言葉を聞いてから、その探るような視線は感じていた。ロアは勘が良さそうなので、これからは言動に気を付けよう。
──授業が終わると、緊張して張りつめていた空気が元に戻る。いつもうるさいデュラン、デュアルは一切教師のガルシアに口答えせず黙々と練習に取り組んでいた。
弱い者は見下し、強い者には尻尾を出さない彼等に少し腹が立ったサクヤだった。
二時間目はフィーネの魔法史、三時間目は数字、四時間目は道徳、という眠気を引き起こすような授業だったので二時間目の後半から居眠りしてしまった。途中で一度起こされたが、その後は寝ていたのだろう、記憶が一切なかった。
そして昼休み、サクヤ達は食堂に居る。サクヤの落ちこぼれの噂はもう全校生徒に広まっているのか、いくつか上の先輩はサクヤの姿を見ると指を指して嗤った。しかし、そんなことにいちいち気にしているとキリがないし、悪口を言われるのはもう慣れているのでこれぽっちも動じない。
だが、そんな生徒を見て殺気を出した者が一人──ルナだった。途端に、あんなに騒がしかった食堂がしーんと静まり返り、ルナの近くにいたサクヤ以外の者が一歩後ずさった。
ルナは怒ると 地獄の閻魔 以上に恐ろしいので慌てて頭に左手を置いて微笑む。
「大丈夫、こんなもの慣れているから……ね?」
「は、はい……ごめんなさい。」
ルナは渋々ながらも殺気を消して俯く。すると静まり返っていた食堂は次第に戻っていった。
「うん、いいこいいこ。」
と、いつもの癖で頭を2度ポンポンと叩くと、なぜか赤面してしまったルナ。周りにいたソフィア達も赤面し、目を反らしていた。
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シャル♪黒猫大好き人間(プロフ) - ミントさん» ありがとうございます!!私もこの表紙結構気に入ってるんです(笑)更新がんばりますのでこれからもよろしくお願いします(*`・ω-)ノ (2020年2月28日 23時) (レス) id: 6e2bf13c08 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - 表紙の蝶とか彼岸花とか凄く好きです!物語も、とても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年2月28日 21時) (レス) id: d935f18f17 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな♪(プロフ) - 月の芋さん» ひ、久しぶりのコメントっ……!(T-T)ありがとうございます!更新は遅い方ですが、これからもよろしくお願いします!(^∇^) (2019年8月29日 22時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
月の芋 - あぁ!!なんて面白い作品なんだぁぁ!あ、すみません(._. 面白くて好きです!応援してます。続き楽しみにしてます!(`・∀・´ (2019年8月29日 20時) (レス) id: de5541b525 (このIDを非表示/違反報告)
如月唯奈(プロフ) - 今日から新しい時代が始まりました!今時代(?)こそ良いことが起こりますように!そして、この小説で一位をとってみたいなんて、贅沢を言ってみる(笑)これからもよろしくお願いします! (2019年5月1日 3時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャル(如月唯奈) | 作成日時:2018年10月24日 1時