#06 ページ6
.
「A氏ってアズール氏とは話すの？」
部活中、ふと気になった事を聞く。
流石のA氏も兄弟とは話せるのだろうか。
「ええ、もちろん。兄弟なので話せて当然です」
「なんかマウント取られた希ガス」
自慢気に答えるアズール氏。
まあ話せなかったらそれはそれで問題だけど…
そんな会話をしているとアズール氏のスマホから
着信音が聞こえてきた。
「すみません、少し席を外しますね」
「あ、どぞ」
アズール氏が来るまで中断されたチェスの
次の手を考える。今は拙者が有利な状況だから…
…そういえばA氏って部活決まったのかな。
もし決まってなければここに入部させるのはどうだろう。
あんな よわよわいのちを放っておいたら危険だ。
人と話すのが苦手な拙者だからこそ言える。
ここ以外まともな部活は無いと。
運動部は論外。怖いし危ない。
文化部だって 軽音部は眩しすぎる、サイエンス部は物騒、映画研究会は…特に問題無いか。
残りの部員1人部活は言うまでもなく危険。
こうなったらアズール氏に話すしかない。
我ながら良い案だしきっと賛成してくれるはず。
「_____アさん、イデアさん！」
「あっっアズール氏！？いつの間に…」
「いつの間にって…さっきから声を掛けてましたよ」
全く気付かなかった…
よし、今ここで部活の話を___
「ああ、そういえば先程の通話でAがここに入部することが決まりました。明日見学に来るそうです」
「えっ」
「ちゃんと手加減してあげて下さいよ？
相手は年下なんですから」
「あっはい…」
「…何ですかその顔」
「いや…アズール氏ってお兄ちゃんなんだなって」
まさかのアズール氏と同じこと考えていたらしい。
そんな…兄レベルは拙者の方が高いと思ってたのに…
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 164人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：如月るむ | 作成日時：2023年12月8日 20時
