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とくんとくんと鼓動を主張してくる俺の心臓
時折当たるお互いの足にまたどきどきと加速する
必死に台本を追って話す俺
北「文化放送から全国へ向けてお送りしてきました、キスマイRadio、今週はこの辺で!
また来週、同じ時間にお会いしましょう!
またねぇ」
藤「おやすみなさーい」
トンっと肩に重み
接近する藤ヶ谷の顔
北「えっ、ちょ、藤ヶ谷!?///」
そう発して、はっと口を噤む
ヘッドホンからOKですーとディレクターの声
それを合図に2人ともヘッドホンを外して元へ戻した
北「びっ…くりした…///」
藤「…そんなに?」
って言いながら台本を片付けてる藤ヶ谷
しばらく動揺で動けなかった俺もテキパキと片付ける
北「じゃーな藤ヶ谷、お疲れ」
そう言ってブースを出ようとした俺
腕を掴まれてくっとつんのめる
北「おわっ」
そのままぽすっと藤ヶ谷の胸に収まる
北「ふじ…がや?」
振り向きながらも緊張で絞り出される声
何も言わないで俯いてる藤ヶ谷
北「あ、あのー…?///」
近さにどきどきさせられる
藤「俺っ…このあと焼き鳥行くんだよね」
北「へ?あ、うん、よかったね…?」
予想外の言葉で返事に困る
少しだけ上がった顔の眉間による皺
…俺今何か良くないこと言ったっけ?
藤「…鈍感」
その言葉にまた、へ?と間抜けな声が出た
鈍感…?
今の流れで何が鈍感だったんだろう
寝不足、疲れ気味、そしてちょっとだけ赤く見える顔
北「藤ヶ谷、もしかして体調悪かった…?」
俺の出した結論に今度は藤ヶ谷が、は?と声を出した
北「えと、無理に食べに行かないで、家帰って休んだ方がいいぞ?」
藤「いや、別に体調は平気…」
ス「すみません、北山さん、藤ヶ谷さん、ちょっと次入っちゃうので…」
北「あっ、そうですよね!すみません!
行こう、藤ヶ谷」
歩き出した俺の後ろからついてくる足音
とりあえずラジオ局の楽屋に戻って帰る準備をする
藤「それでね、北山…」
珍しくちょっと弱気で、でも俺に積極的な藤ヶ谷にきゅんとする
藤「俺と…夜ご飯、食べに行かない?」
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作者名:如月 なつ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年8月21日 17時