8 ページ8
.
ズキズキと痛む心を抱えたまま楽屋に戻る
藤「…この後、ラジオか」
その言葉にハッと我に返る
北「うん、そうだね」
ラジオまでにはまだ時間がある
それまでは2人きり
北「…っ俺ちょっと飲み物買ってくる!!」
そう言って俺は財布を持って楽屋をでる
1番近くにあった自販機でほっと一息ついた
チャリチャリとお金を入れて考える
どっちが本物の藤ヶ谷か、考えたかった
分かってる、インタビュー終わった後が素だって
でもインタビュー中の方を現実として捉えたくて
…まぁ、どっちにしろこの後も藤ヶ谷が一緒だ
藤ヶ谷といると色々考えてしまうけど
素直に言えば
北「ふふっ、嬉しいなぁ」
藤「何が?」
頭上から伸びる腕、押されたボタン
北「っ藤ヶ谷!」
藤「何が嬉しかったの?」
え、あ、いや、と吃る俺を見て
北「!?」
頬が両手に包まれて、強制的に目を合わせられる
藤「んー、何でだろ、いつもなら分かるのにな
今日はわかんないや」
そう言った藤ヶ谷の手が急にぱっと離れる
遅れてとくとくと速くなる心臓
下から出てきたカフェオレを取り出してゆらゆらと揺らす
藤「これ、もらうわ」
って言っていたずらに笑う藤ヶ谷にまたとくんとなる心臓
去っていった藤ヶ谷を見送って、今度こそはとコーヒーのボタンを押した
368人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:如月 なつ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年8月21日 17時