恋は街中に降り注いでいる２ (ページ7)

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「そういえば最近あの子見てない気がする」

「Aちゃん？」

「そう」

「確かにここ1週間会ってないな……」

Aちゃんというのは俺の出版社時代の後輩である太宰Aちゃん。
出版社を辞めてからも週に1，2回ここに来てポップ作りなんかをしてくれる。
彼女の方がポップ作りが得意だからつい頼ってしまう。

「お前何かしただろ」

玉はなぜか断言口調。

「えっ？何もしてないよ。彼女には彼女の仕事があるんだし、ここに来るのは義務じゃないし」

すると玉はなぜか溜め息。

「お前のそういうところだよ」

「えっ？」

玉がグイッと俺に近づく。

「俺はお前に一番近い存在だという自負はあるけどさ。宮っちは基本誰にでも優しいからね。無理強いしないからね。でもそれがかえってってこともあるかもね」

「……ん？」

さっきから玉に意味深長なことを言われてるけど訳が分からなかった。

「宮っちのこと生まれたときから見てる俺のお言葉を聞いても心当たりないの？」

しょうがないから脳内の記憶を探る。
Aちゃんと最後に会った日は……。

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