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「なあ、荻野。俺とAってどう見えてた?」
「仲良いなっていう印象。付き合ってるかと思いきやお互い別の人と付き合ってるし」
「やっぱりそうだよな」
「一回Aに訊いたことがあるのよ、北山くんのことどう思ってるか。中学の時に。そしたらA、あいつとはずっと幼馴染のままの方がきっといいって言ってた」
やっぱり意識の違いは明白だった。
俺は自然と幼馴染のままでいると思ってた。
でもAは作為的に幼馴染であることを選んだ。
俺はどうすればあいつの傷を癒せる?
Aとのメモリーは膨大だ。
生まれたときからいるわけだから。
「北山くんも北山くんだし、AもAだし。この際両成敗ってことで仲直りして素直になりなよ」
「そう出来たらいいんだけどね」
残念ながら連絡手段は全部断たれている。
「私が間を取り持とうか?」
「いや。自分だけの力でやらないと」
誰かの協力で解決したら意味がない気がして。
これは俺とAの長年にわたる問題なんだから。
「ということは認めるんだね?ミツ」
横尾さんと藤ヶ谷に見つめられる。
「……ああ」
口に出すことでさらに認める気持ちになる。
荻野のオムライスを食べながら、俺が一番傍にいて欲しいのはAだとはっきりと思った。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2021年11月23日 14時