恋は街中に降り注いでいる２ (ページ35)

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「また？」

「1ヶ月に1回は喧嘩してない？」

ずっと仲が良いわけじゃない。
生まれたときから一緒なわけだから互いのことは大概知り尽くしてるし、俺もあいつも性格が正直なので遠慮なくずけずけと言ってしまう。
だから喧嘩になって頭を冷やしてどっちかが折れて和解する。
そういうやり方で何十年も過ごしてきた。

「今回の原因は？」

「あいつにお見合いの話があるらしくて」

なぜか玉と千賀は顔を見合わせた。

「俺は別にいいんじゃない？って言ったら怒りだして、ついカッとなって俺も言い返した」

「ミツが悪い」

なんと二人がハモりながら言い始めた。

「俺？」

「当然」

「ミツに問題です。男と女の間に友情って存在すると思う？」

玉の質問に俺は。

「あるでしょ。俺とAはそうでしょ」

「それは両方とも完全に恋愛感情がないことが前提だよね」

「二人って生まれたときから一緒なんだよね。付き合ったこととかないの？」

「ない」

俺が断言すると二人は不思議そうな顔をした。

「財津さんもう来ないかもしれないね」

「だね」

「は？」

「だってさあ」

「ねえ」

一切要領を得ない会話になんだかイライラする。

「ミツ、宮っちと同じ属性だね」

「そのパターンか」

「宮田と？」

宮田といえば最近彼女が出来て、付き合うようになるまで時間がかかった印象だ。

「俺たち服見てるからその間考えてみたら？」

「おう……」

結局俺は玉と千賀が服を見てる間Aがここに来ない想像が出来なくて思考がストップした。
事実ラインがブロックされていて、想像以上に凹んでいる自分に驚いた。

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