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あと1つ作品が出来れば気持ち良く展覧会の準備が出来るのに、俺はスランプになっていた。
かといってミツやニカが助けてくれるわけじゃないことは分かってる。
溜め息が零れそうになったとき店の電話が鳴った。
電話に近かった勢司楓さんがそれに出る。
彼女は蒼天の従業員であり、ニカの彼女でもある。
電話に出ている彼女は俺を見て、一旦受話器を置きこちらに来た。
「千賀さん、伴さんからお電話です」
「俺はいないって言っておいて」
「高嗣さんどうする?」
俺の言葉はスルーらしい。
ニカはフッと笑いながら俺を見て受話器を手に取った。
「あー伴さん?千賀ならうちにいるよ。うん、来て来て」
ニカは電話を切った。
「ドンマイ、千賀」
ミツは俺の肩を叩く。
「しばらくしたら来るってさ」
「ニカの鬼。ケチ」
「は?彼女の連絡をスルーしてるお前が悪いだろ」
「仕事に戻される」
「諦めろ」
さっきの電話の相手、伴Aちゃんというのは同じ大学の後輩で、同じ先生に師事していて、今は俺のアシスタント的な役割を担っている。
今の電話は家にもアトリエにもいない俺は探してのものだ。
この後打ち合わせがあるのに逃げているのは俺だ。
「というかさ千賀さ」
「何?」
「伴さんのこと……だろ?」
ニカの言葉にミツも頷いた。
「だな」
「えっちょっと……」
いきなり指摘されたから言葉が詰まる。
「二階堂、玉森、横尾パターン?」
「だね。ガヤと宮のパターンじゃない」
「何でバレてるの?」
やっと出た言葉がこれだった。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2021年11月23日 14時