s 空色の未来を描こう ページ21
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俺が小さい頃から通っている、あかつきアーケード。
2駅先に大型ショッピングセンターが出来たり、少子高齢化、若者の人口流出、後継者不足などの世間の荒波に負け、シャッターを下ろしてしまった店舗も少なくないけど、俺はここを少しでも盛り上げたくてアーティストとしてオブジェを飾った。
俺があかつきアーケードに来るようになったのはここ出身であるニカこと二階堂高嗣と幼稚園で仲良くなったから。
幼稚園の後、ニカの家に遊びに行って、その縁で同じアーケード育ちの宮っちこと宮田俊哉と玉こと玉森裕太とも親しくなった。
毎日のようにあかつきアーケードに行っていたからアーケードの人たちにも顔を覚えられてニカたちと一緒に育てられた感じがする。
幼馴染たちは大人になってもアーケードに残って家の店を継いだから俺もアーケードに通い続けた。
するとアーケード街の会長から作品を作ってくれというオファーがあった。
俺は小さい頃から絵を描くことが好きで、それが高じて美大に入学した。
すると超有名なアーティストの目に留まり、その人の元で働きながら自身もアーティストとして活動していたときだった。
小さい頃から行っている場所に、厳しい中でも頑張っている幼馴染のために貢献したかった。
初めて自分だけの力で作り上げた作品だった。
あかつきアーケードにちなんで太陽をモチーフにしたオブジェを真剣に作った。
するとそのオブジェはなかなかバズっているらしい。
会長や幼馴染に感謝されたときは達成感を味わえた。
それから俺個人にも仕事が舞い込むようになっていくつか作品を世に出すことが出来ている。
目下の仕事は市内のコミュニティセンターで行われる展覧会。
俺だけじゃなくて他の人にも協力してもらって催そうと思っている。
「それで準備は順調なの?」
ここはニカの店『喫茶・蒼天』。
「俺が今ここにいるということは?」
「進んでないってことね」
こう言ったのは隣にいるミツこと北山宏光。
ミツはあかつきアーケードで服屋を営んでいる。
「お前、いくつ作品出すの?結構作ってない?」
「5個。あと1つどうしようと思ってて。他にも仕事はあるし」
「売れっ子になったものだな。コーヒー奢って」
「本当だよねえ。小さい時は俺の後ろにくっついていた奴が」
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2021年11月23日 14時