恋は街中に降り注いでいる２ (ページ19)

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「展覧会のポスターですか？」

「うん。市内のコミュニティセンターでやるんだけど、千ちゃんが中心になっててね。千ちゃんにお願いされて貼ったのよ」

「へえ。……宮田さん、インパクト欲しくないですか？」

「Aちゃんも思った？これはこれで良いという前提の上でね」

「ポップ書きましょうか？」

「頼んだ」

千ちゃんごめんねと思いながら彼女に紙とマーカーを用意する。
Aちゃんはウキウキとした感じで書き始める。

こうしてまたAちゃんの色が本屋に加えられていく。
一生Aちゃんの色があればいいなとぼんやりと思うんだけれども。

祖父の代から続く星雲書房。
形を変えながらも存続していって、俺の代で潰したくないなと思う。
だからAちゃんの色は必要なんだ。

Aちゃんが書いているのを見守っていたら、お客様が入ってきたので顔を上げる。

「いらっしゃいませ」

またこの店に来てもらえるように、今日も俺は笑顔で店に立つ―――。

END

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