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店の休業日、俺はAを連れ立って『喫茶・蒼天』を訪れた。
「見せつけてくれるねえ」
二階堂は目を細めて言ったけどそんなつもりはない。
「年がら年中楓さんと働いてるお前に言われたくないけどね、Aどうする?」
「うーん、カフェラテとナポリタン」
「俺はブレンドコーヒーと同じくナポリタン」
「かしこまり」
二階堂がコーヒーを作る音を聞きながらなんとなく外を見やる。
世間は12月。
あかつきアーケードもクリスマスムードに染まり、クリスマスツリーが飾られ、千賀のオブジェもクリスマスの装いになっている。
「なんか平和だね」
「だな」
平和に過ごせることが何よりだよね。
ところでクリスマスといえば。
「クリスマスはまたイベント?」
「ああ」
クリスマスにはアーケード街でイベントがある。
元々宮田たち幼馴染グループが駆り出されて、アイドルグループさながらのことをしていたというが、3年前から俺、横尾さん、さらに藤ヶ谷までもそこに参加するようになった。
「まあそれが終わったら出かけようぜ」
「うん」
「やっぱりお熱いねえ」
二階堂にコーヒーを差し出されながら言われる。
「そういう二階堂は楓さんと過ごすんだろう」
「もちのろん」
随分と元気よく言うもんだから厨房の楓さん出るに出られなさそう。
二階堂のコーヒーを飲みながら、ここに来て良かったなと思う。
そりゃ店をやるのは大変だけど、俺は一人じゃないから。
昔からここで頑張ってる人はいるし、新しく頑張ってる人もいるし、ここのために頑張ろうと思う人もいる。
だから必然か偶然かでやって来た俺もあかつきアーケードに根を張って頑張りたいと思う。
俺の世界には運良く仲間と大切な人がいることだしね。
「ナポリタンです」
楓さんがナポリタンを持ってきた。
「いただきます」
これからもこの街で仲間と大事な人と一緒に過ごせたらいいよね。
あかつきアーケードは今日も平和です。
良かったら皆さんもぜひいらっしゃって下さい。
お待ちしております―――。
END
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2021年11月23日 14時