・ ページ32
・
夫がアメリカから帰ってきた。
「良かったじゃないですか、旦那さん帰ってきて」
いつもの3人での昼の女子会で夫が帰ってくることを言ったら多恵ちゃんはまたあっけらかんと言った。
「うん。だよね」
なんだか食が進まない。
だって彼が帰ってくるということは俊哉くんとの関係がままならなくなるということだから。
「あんまり嬉しそうじゃないですね」
最近結婚した剣崎聖来ちゃんにそう指摘されてドキッとなる。
最近聖来ちゃんは痩せた気がする。
こないだも1週間休んでたし。
おめでたかというとそうじゃないらしい。
「ほら、3年単身暮らしだったから」
「そうですよね。旦那さんの家事もしないとですもんね」
「そうそう」
私の家に夫が来るという感覚はどうしても拭えない。
俊哉くんが訪れた痕跡は消せたと思うんだけど。
「私、てっきりAさんは旦那さんが帰ってきたら不都合なことがあるのかと」
「まさか聖来さん、Aさんが危険なことしてるって思ってるんですか？」
「そんなことないですよね？」
「ないよ、そんなの」
「ですよね。すみません」
聖来ちゃんはなんだか変わった。
なんだか思い当たる節はあるけど。
彼氏は年下の子って言ってたのに、結婚相手はおじさんだったこととか。
そこを多恵ちゃんに話すと、聖来さんの家お金持ちじゃないですか、色々あるんですよと言われた。
どうしても私は彼女を連れていったあの男の子が頭の中を過るんだけれども。
そういう多恵ちゃんだって素直そうに見えて、案外私と同じかもしれない。
彼氏さんとは別に玉森くんと一緒にいるのを俊哉くんと見たことあるから。
「そういえばAさん将来どう考えますか？」
「将来？」
「課長が言ってましたよ。Aさん今はいいけど、将来子供が生まれたらどうなんだろうって。主任から昇格させようにもって感じで、セクハラですよねえ」
「子供かあ」
正直好きでも嫌いでもない。
友達の子供なんか可愛いと思うし。
「今は仕事が第一なんだよねえ」
こう言うしかなかった。
想像が出来なかった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユタカ２ x他1人 | 作成日時：2021年9月11日 17時
