・ ページ31
・
「多恵から聞いたんだけど」
次の言葉に俺は我が耳を疑った。
「主任の旦那さんアメリカから帰ってくるんだって」
「…………」
それはつまり。
俺とAさんは彼女の旦那さんが日本にいないからこそ関係が続けられたといっていい。
仕事が立て込んでないときは金曜の夜から日曜まで過ごせたこともあった。
遠出したこともあった。
俺と会うときAさんは指輪をしてなかった。
だからパッと見は多分普通のカップルで、旦那さんの存在を忘れることもあった。
だけど日本に帰ってくるとなれば話は変わってくる。
Aさんだって俺のことを好きと言ってくれるけど、それは旦那さんが近くにいないからで、近くにいればそっちにいってしまうのではないか。
まさか、俺たちはここで終わり?
でも不倫というのはそういうものだよね。
バレてしまえば全てが終わるんだから。
でも心が追い付かない。
「よく考えるんだな。この状況お前にとっちゃ圧倒的不利なんだから」
俺は半ば信じ込んでいたのかもしれない。
この関係に永遠があるってことを。
でもそんなのはない、俺たちに。
「……話してみるよ、Aさんと」
地獄に落ちるのは俺だけなのかな。
それは嫌だなと思いながらタマと食事し続けた。
・
101人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2021年9月11日 17時