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あのとき以来Aさんとの関係は続いている。
もちろん誰にも言わずに。
だけどある一人には気付かれてしまった。
それは同期のタマこと、玉森裕太だ。
「お前、主任に手を出しただろ」
そう断言されては俺も認めるしかなかった。
「よりによって既婚者かよ。お前痛い目に遭ったばかりじゃん。他にいなかったの?」
「Aさんが一番綺麗じゃん」
「そうだった。お前はこっちに来てから主任推しだった」
溜め息はつかれたものの。
「しょうがないから秘密にしておいてやるよ」
そういう言質を取ったので秘密は保たれている。
そういうタマにだって秘密があるんだけど、それはまた別の話ってことで。
今日はタマと一緒にご飯を食べている。
俺は今日あったことを彼に話す。
「今日社長とエレベーターで出くわして」
「へえ」
「そこにはAさんもいて」
「社長と主任って同期だったっけ」
「だね。Aさん俺たちと同じ感じで社長にも接してて」
「……先にエレベーターを下りたのはどっち」
タマは本当に鋭い。
「社長」
「その後宮田は主任に何をしましたか」
予想通りの質問だった。
「タマのご想像通りです」
そんな俺にタマは呆れ顔。
「お前、社長と菱田さんの件で分かっただろ。同じ社内でそんなこと」
「……タマはどうなのさ」
俺はもう後戻りしたくない。
あの人と関係を持った時点で地獄への扉は開けられている。
Aさんが一緒にいてくれるならそれでいい。
「俺はまだ余白があるっていうか。でも宮田は違う」
タマが心配してくれてるのは分かってる。
だけど。
なんて思ってたらタマの目が鋭くなった。
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作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2021年9月11日 17時