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健永くんが突然来て、言われるままにスマホを見たら珍しく母からの着信。
折り返しの電話をすれば、怒号の耳に浴びる。
「あんた何をしたか分かってんの！健永となんて、近親よ。汚らわしい！」
いつの間にか私たちのことがバレていた。
だから罰を受けるのは私だけでいいと言った。
すると。
「じゃあ別の人と結婚なさい。あなたも今年30だし、そんな気配もないから縁談がいくつかあるの。そうね、1年前に奥様を亡くされた富豪の後妻なんていいんじゃない？あなたより20以上年上で、健永に手を出したあなたには十分な罰じゃない？」
彼と引き離される。
ショックだった。
でもこれは自分勝手な感情で、私はそれぐらいのことをしているのだから、この罰は受けるしかないんだ。
あてのないドライブをしながら考える。
このまま二人いくなってしまえば、永遠に一緒にいられるなんてことが頭を過る。
だけど私は彼を手にかけられない。
だって彼は私より若くて未来がある。
それを駄目にしたくない。
だって愛してるから。
「もう、今日で終わりにしよう？健永くん」
だから私は今ピリオドを打つ。
これしか道がない。
「…………」
健永くんは大粒の涙を零していく。
それが私の身体に落ちていく。
「俺たち生きてる間に一緒にいられる方法ってないのかな……」
養子縁組を結ぶとかはあるけど……。
「そんなの家が許してくれないよ」
「やだ」
彼の涙に濡れた顔を拭う。
「俺はあなたが全てだったんだ。ずっと好きで、Aちゃんからも好きって言ってくれて、嬉しくて幸せで」
「……じゃあ私を殺せる？」
「無理。……愛してるから、殺せない。殺したくない」
「それは私も一緒だよ。だから……終わりにするしかないんだよ」
私たちは死ぬ勇気がない。
かといって逃げ続ける勇気もない。
だから私たちは別れるしかない。
お互いの愛のために。
「愛してるよ、健永くん」
「俺も……」
出来ることならずっと一緒にいたかった。
でもそれは一生叶わない。
最後に彼に限界まで抱かれる。
残された跡もいずれ消えてしまうことがひどく悲しかった―――。
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作者名：ユタカ２ x他1人 | 作成日時：2021年9月11日 17時
