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俺の家は祖父の代で会社を興し、父の代で大きくなっていった。
今では知らない人はほとんどいないレベルの企業になって毎年多くの就活生が応募してくるまでになった。
俺はその三代目の社長。
実を言えば親の後を継ぎたくなかったし、継ぐにしてももっと経験を積みたかった。
でも俺は長男だからと問答無用で継がざるを得なかったし、5年前30歳で社長になるよう命じられた。
俺の代になっても成し遂げたことはあるのに、一向に世間の評価はお気楽な三代目。
正直毎日プレッシャー。
それでも社内の会議に出たり、外で誰かに会ったり。
そんな疲弊した日々を癒してくれるのは家庭、かというとそうじゃない。
俺は北山家の長男として生まれたときから結婚相手は決められていた。
大企業のご令嬢、いわば政略結婚だ。
その結婚相手が合うのならば、何ら問題もないのだが、妻は超がつくほどの我儘で、自分の思い通りにならないと気が済まない、少しこっちが異を唱えたならば、訳の分からない理屈で噛みついてくる。
そんな相手に愛なんて生まれないでしょ。
顔もスタイルも性格が出てしまっているし。
子供はいるよ、長男と長女。
だけどそれは義務的なもの。
それを果たせば俺はそれでいいし、向こうも求めてこない。
意に染まない相手にああいう行為をするほど、俺は暇じゃない。
子供は可愛いけれど、妻があまり関わらせてくれない。
自分だってシッターさんや家庭教師に任せているくせに。
俺の稼ぎで作ったブラックカードでお金を湯水のように使って、家を完全に自分好みにして。
そんな家じゃ、家庭じゃ疲弊感は増すばかり。
俺の人生は俺の思う通りにいかなくて、雁字搦め。
だけどそこから抜け出す術も知らないから、どうにもならない。
こんなものだと思っていた。
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作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2021年9月11日 17時