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そして天は私に味方してくれた。
それから1週間後。
予備校から帰ったらなんと家に父も母もいた。
何やら話し合いをしているようだった。
「おかえり」
「……ただいま」
「A、○○大学に行きたいんだってな。確かにあそこは名が知られているし偏差値も高いしいいな」
父は頭が良くて有名な大学の出身だ。
そのおかげで今があると言っていい。
そして母も。
そういえば保育園の頃から勉強を身に付けるように言われてたと思い出す。
学級委員や生徒会役員の肩書があるに越したことはないと言われてた。
おかげで今があるんですけど。
「教師になりたいんですって」
「へえ」
父親も父親で私に特別関心があるわけじゃない。
「ところであんたは離婚したらどっちの名字名乗るの?」
「私は今ある環境があれば何でもいい」
「やっぱりあなたは可愛げがな……」
「そのことについてお話があります」
声を張り上げたら両親が私を見たので仁王立ちをする。
「お父さんもお母さんもそれぞれの暮らしをされています。だから私は私の権利を主張します。私ももうすぐ18、無事合格できたら大学生ですからね」
深く息を吸う。
「お父さんはお父さんの人生、お母さんはお母さんの人生ですから今更離婚を止めるつもりはありません。二人とも別れないでなんてお涙頂戴する気もありません」
父も母もこんな私を見て呆気に取られているようだ。
「私はこれまで通りの生活を希望します。いきなり名字が変わったり生活が急変することは勘弁して下さい。私はあなたたちが離婚してもここに暮らしたいです。私も家事が出来るようになりましたが、お母さんには引き続きお願いしたいです。嫌ならハウスキーパーさんを雇って下さい。それとこれまで通りお小遣いを下さい。受験が落ち着いたらバイトもしたいと思いますが。あと大学卒業までの学費もお願いします。お父さんはそのあたりで養育義務を果たして下さい」
こんなにベラベラと話すことがないから口の中が渇く。
でもこれで言いたいことは言った。
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ユキ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみに作品読ませていただいていました。途中ヤキモキしたけど、2人らしい終わり方で気持ちがほっこりしました。゚(゚´ω`゚)゚。もう2人にも仲良し6人組にも会えなくなるのが淋しいです涙 素敵なお話をありがとうございました! (2021年9月20日 12時) (レス) id: d4b3736ff0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2021年8月17日 9時