57 ページ8
・
その日の晩。予備校が終わって帰宅する。
思うことがあって私は棚にあるアルバムを開いてみた。
アルバムは8冊あった。
綺麗に整えられたアルバムには0歳からの私がそこにある。
お母さんは昔は仕事をしていても、こうしてアルバムを作ってくれて、それを私は見ていた記憶がある。
アルバムをめくっていたら4歳のとき家族3人でディズニーランドに行った写真があった。
そこには家族団欒の姿が。
他にも家族旅行や行事での私が飾られている。
アルバムは私が小学校を卒業したときで終わってた。
ここからだ、家族の形が変わっていったのは。
*
「どうしてバラバラになったんでしょう」
明くる日、私は宮田先生に零した。
先生はいつも私に付き合ってくれる。
「お父さんとお母さんの仲はどうだったの?」
「……確かに小学校の高学年あたりから喧嘩が多くなったような記憶が」
最初はお互いを高め合うような関係で良かったかもしれない。
だけど次第に違うものを求めるようになった。
その結果が今。
「人の気持ちって変わるんですね」
「そうだね。ご両親の場合は残念ながら変わってしまった」
私の気持ちも変わってしまうのだろうか。
今は宮田先生が好きでも振られたときのように、いつか先生が思い出になってしまうのだろうか。
「でもご両親の場合は悪い方に。良い方に変わっていく場合もあるから」
そうしたら先生への気持ちも増すってことも有り得るのか。
前向きになれる。
「お母さんはともかくお父さんが一ノ瀬さんの家に帰ることは?」
「月に一度。だけどそれが分からないんです」
「それは困ったね」
ああもうここで悩むのがアホらしくなってきた。
私は立ち上がる。
運任せなのがムカつくが、ここはやってみるしかない。
「先生をサンドバッグに使ってごめんなさい」
「構わないよ。方針は決まった?」
「はい。運任せになりますけど、ぶつけるだけぶつけてみようかと。私だってもうすぐ18歳。こっちにだって考えはあるんです」
「かっこいいよ、一ノ瀬さん。その意気だよ」
先生が背中を押してくれるから私は頑張れる。
・
53人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユキ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみに作品読ませていただいていました。途中ヤキモキしたけど、2人らしい終わり方で気持ちがほっこりしました。゚(゚´ω`゚)゚。もう2人にも仲良し6人組にも会えなくなるのが淋しいです涙 素敵なお話をありがとうございました! (2021年9月20日 12時) (レス) id: d4b3736ff0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユタカ2 | 作成日時:2021年8月17日 9時