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そして翌日。
また『C'monova』を訪れれば、藤ヶ谷さんと宮田さんはスタイリッシュな格好をしていた。
きっと横尾さんも今はスーツだけど、こういう格好をしているのだろう。
「確かにダサくはないのかも」
「横尾さんもかっこいい格好なんですよ」
「ファッションに詳しい方がいるんですか?」
「仲間に大人気モデルがいて、彼が監修してる」
「へえ、芸能人もいるんですね」
「あとはインフルエンサーに鑑定士。それが俺たちです」
だったら全員集合ができないのも納得だ。
いつかお目に……いやいや協力なんてこれが最初で最後なんだから。
それにしても色々教えて下さる。
それに奥の手って何なんだろう。
「じゃあ行きますか」
私たちは車で犯行が行われるであろう場所へ向かった。
ひっそりとした宝石店。
1ヶ月前に割られたガラスは元に戻っている。
私たちが、というか宮田さんが次の犯行現場はここだという情報をハッキングでキャッチした。
この方本当に調べられないことはないんだなと感じた。
しばらく見張っていると動きがあった。
私たちの車の横を1台の黒のワンボックスカーが通り過ぎた。
すかさず横尾さんはその車のナンバーを調べている。
その車が宝石店の前で止まる。
中から出てきたのは例の6人組だった。
今日も白い仮面をつけている。
その人たちが店へ入っていったところで私たちも車を出る。
藤ヶ谷さんと宮田さんは一旦6人の車の方へ行って、私と横尾さんは店に上がり込んだ。
「あんたたち何してんの?」
「やっとお前たちに会えたな」
「何でここに」
「まさか裏切られたのか」
はい、言質取れました。
思わず口角が上がる。
「まだ誰も裏切ってないんじゃない?」
「俺たちは俺たちでお前たちの次の犯行を探ったんだよ。お前たちの手口はただ漏れなんだよ」
「おらああ」
すると6人のうちの一人がバールを振りかざそうとしてくる。
しかし私たちには襲い掛かってこなかった。
なぜならその人は不可思議な方向へすっ飛んでいったからだ。
その衝撃で男は気を失ったようだ。
「あーあ、結局こうなる」
横尾さんは手をかざしていた。
えっ?今の横尾さん?
私もだが、あとの5人も戸惑っているようだ。
「どういうことだ?」
「あいつ吹っ飛ばされた?」
「……悪いけどお前たちには眠ってもらう」
そう言った横尾さんの手からは電気が放たれた。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2024年3月17日 11時