* ページ9
・
遅れて横尾さんがやって来た。
「太輔はもう少しで来るって」
「じゃあガヤさん来たら始めようか」
しばらくして藤ヶ谷さんもやって来た。
「ごめん、仕事が見込みよりも遅くなっちゃって」
「大丈夫だよ」
「藤ヶ谷さんは普段は何を?」
「とある企業で社長秘書をしてます」
「じゃあお忙しいのでは」
「まあそれなりに。会社勤めしてたら色々情報は入るんで頑張ってます」
ここの人たちは皆この活動のために普段の仕事をしているのだろう。
一体何のために活動しているのだろうか。
まだ秘密がありそうだなと睨む。
「じゃあ始めようか。なんとなくの見立てはできた?」
「と思う。俺と内田で指示役の目星は付けてる」
「で、俺はその人物を徹底的に調べ上げた」
私と横尾さん、宮田さんで調べ上げて考えた推理を藤ヶ谷さんに伝える。
「なるほど。俊くんのことだから全部見えてるよね」
「全部とは限らないけど、次の犯行場所はここ。現在は通常通り営業しており、犯行時刻は以前と同じ時間。そしてそれは明日行われる」
「よし、じゃあ明日もここに集合。四人で大丈夫そう?」
「そうね。今回は横尾さんと内田さんを前に置こうか」
「じゃあ俺と俊くんは陰で見ておこう」
「慣れないけどしょうがないか」
「それで大丈夫ですか?」
相手は6人組とプラスアルファだし、戦力が足りないような気がした。
「大丈夫。俺たちには奥の手があるんです」
藤ヶ谷さんは明るく言った。
「しょうがないか。やむを得ない……」
私の隣で横尾さんは小さく呟いた。
・
36人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユタカ2 | 作成日時:2024年3月17日 11時