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「宮田さんって調べられないことはないんですよね」
「そうですよ。その気になれば世界中の機密情報を手に入れられます。誰にも頼まれてないんでしませんが」
うん、癖がある物言いだ。
「今の私と横尾さんの会話で何か分かりました?」
「勤怠記録を見せて下さればより分かると思います」
「横尾さん、後で送っといて下さい」
「久々にねちっこいね、俊くん」
「正統派はたまにでいいよ」
確かにギャップがあるだろうなと感じた。
「お二人的に先が良いのは白い仮面の6人組と指示役どっちですか?」
「お楽しみは後の方が良いよね」
「だな」
「6人組を捕まえるのが先ですね」
「じゃあ俺は犯行場所と日時を探っとくから勤怠記録よろしく」
「はいよ」
ここで本当に宮田さんとの電話が終わった。
「どうよ、うちの俊くん」
「一癖ありそうですね」
人間見た目とは違うなとつくづく思う。
「俺たちは残されたデータを探りますか」
「ですね」
「で、夜はまた『C'monova』でOK?」
「かしこまりました」
私たちは自分たちの課に戻り、データを隈なく集めた。
聞き込みに行っている同僚たちの情報もメモに書いた。
そうして夜になり私と横尾さんはバラバラに『C'monova』に向かった。
私が先に一番奥の部屋に入ると宮田さんが高そうなソファの上で寝転がっていた。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です。顔パスにして下さりありがとうございます」
「何の何の。いつでも使って下さい」
私はそのソファの向かいのソファに腰かけた。
「横尾さんと宮田さんがブレーンなんですか?」
「そうですね。俺と横尾さんはガヤさんともう一人の前線組のサポートって感じでしょうか。あとの2人は陰で動いてもらって、これが俺たちです」
「私のような協力者もいるんですか?」
「いますよ。最近はなぜか女性にばかり協力してもらってます」
私のような立場の人間が何人もいるのか。
どうやって目をつぶってるのか知りたいものだ。
「宮田さんは普段のここのオーナーを?」
それだけではこんな立派な店を建てられないだろうから別の仕事もしてるのではと考える。
「基本は投資をやってます。あとはアニメとかが好きなのでそういうオタク関係のこともしてます」
人は見かけによらず……いやオタクっぽいはオタクっぽいか。
「お疲れ俊くん」
「お疲れ横尾さん」
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2024年3月17日 11時