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「何か分かりますか？」
「同じ地域が連続しないってことぐらい。襲う店のジャンルも統一感がないんだよな」
「あえて無差別にやってるかもしれませんね。次あるとしたら記念すべき10回目ですか」
この窃盗団はものすごく計画的に動いている。
場所に法則性がないのはマークされないためだろう。
「……内田だったら前の現場をまた襲う？」
「隙を突いてあえてで狙うかもしれません」
「マークしておくか……」
「6人はどこから集まってきてるんでしょうね」
「防犯カメラには犯行後車に乗り込む姿は映っている。ナンバーは偽装されてて毎回違う。車はありきたりの黒のワンボックスカー。いつもカメラの死角に入れられて追えてない。都内といえど夜だと車通りは少なくなっちゃう。……やっぱり誰かが逃がしてるだろ、これ」
横尾さんはまた勤怠記録を見る。
「なあ、この人って絶大な権力持ってたりしない？」
横尾さんは別の人を指差した。
「うちの正統派エリートですもんねえ」
「俺は？」
「はぐれ刑事って感じですね」
課長に気に入られているのは別の先輩だ。
でも何で……。
「動機って何でしょうね」
「知るか。捕まえたらたっぷり吐かせてやる」
「横尾さん、取調もあまりしないじゃないですか」
指摘すればするほど横尾さん刑事らしい仕事あまりしてなくない？と思ってしまう。
「自分が捕まえた犯人のはちゃんとしてるよ」
「それはやってくんないと困ります」
聞けば聞くほど横尾さんって自分たちの活動のために刑事やってるんだなと感じる。
そういえば。
「あの店何なんですか。『C'monova』でしたっけ」
「あれが俺たちのアジトをカモフラージュした一見さんお断りの会員制の完全個室のバー。内田だったら顔パスで入れるようにしとくよ。ちなみにオーナーは俊くん」
「えっ？宮田さん？」
あの朗らかそうな人がオーナー？
「この事実を伝えると皆驚くよね。まあ普段の彼とはギャップがあるか」
なあ俊くんと言って横尾さんはスマホを胸ポケットから取り出した。
「えっ、スピーカーにしてたんですか」
「横尾さんとの電話実は終えてなかったんです」
「盗み聞きですか？」
「人聞きの悪い。情報収集ですよ」
もしかしたら宮田さんって性格に難あり？と思いつつ。
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作者名：ユタカ２ | 作成日時：2024年3月17日 11時
