* ページ6
・
「思ったんですけど、その防犯カメラに映ってる6人の中で警察の無線を傍聴できる人がいたら内通者がいる説薄まりませんか?」
「俊くんみたいなのがいれば可能だよね。もちろんその線もあると思うけど、この6人の行動にはあまり能動的な感じがしない」
「それはそうですね。誰か指揮を執ってる人はいますよね」
出来るなら内部にいて欲しくはないのだけど、私と横尾さんの勘が内通者がいると言ってるから今はそれに従う。
「内田、勤怠記録もらえた?」
「大変だったんですよ、適当に言い訳しましたけど」
警察の中にはそういう人たちもいる。
なのでうちの課の人たちの勤怠記録を横尾さんに渡す。
「これで事件があった日を照らし合わせれば見えてくるはずだ」
「こうして立て続けにあると前の事件のことを深堀りできないままなんですよね」
「それも狙いじゃないかな。事件が発生すれば俺たちは現場に向かわざるを得なくなる。そうするとそれまでの事件の捜査は中断せざるを得ない」
「つまりは深く探られちゃ困るってことですね。……というか俺たちって横尾さん現場に行かないじゃないですか。事件は会議室で起きてるんじゃないんですよ」
「……善処する」
これはまだ変わらないなと思いつつ勤怠記録を眺める。
「横尾さんだったら休みの日に犯行します?出勤日に情報流します?」
「後者だな」
「私もです」
事件の起きた日とうちの課の人たちの出勤日を照らし合わせる。
「内田マジで休んでないじゃん。たまには休息取らないと」
「この事件が終わったら休みますよ」
自分でもワーカーホリックだなとは思うけど、この仕事が本当に好きだから。
「……なんとなくそんな気がしたけど……」
横尾さんの指がとある人の勤怠記録をなぞる。
「私もなんとなくですが……」
この人だったら部下の動きを把握できるもんなあ。
「じゃあこの人をマークだ。俊くんに電話する」
横尾さんは宮田さんに電話する。
私はその横で考えを巡らせる。
電話が終わったところで私は口を開く。
「どうやって捕まえましょうか」
「犯行現場で捕まえた方が分かりやすいよな」
「じゃあ次の犯行現場を知る必要がありますよね」
すると横尾さんはノートパソコンでこれまでの現場を地図でマークしていく。
・
36人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユタカ2 | 作成日時:2024年3月17日 11時