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「これは、どうして」
「課長と三上さんのラインを調べさせてもらいました。駄目ですよ、こんな分かりやすいツールでやり取りしちゃ」
宮田さんが見事に調べ上げたものだ。
そこには課長や三上さんから6人組への指示がはっきりと書かれている。
「……くそっ」
三上さんがこう呟いたと思ったらスーツの内ポケットに手を伸ばそうとする。
まあそんなの後ろにいる藤ヶ谷さんと宮田さんが超能力で阻止しますよね。
ついでに課長も痺れさせますよね。
……私慣れてきちゃってるな。
「なっ何なんだ、お前たちは」
「初めまして、横尾の友人です」
宮田さんは目を細めて言った。
「右に同じくです」
藤ヶ谷さんも同様のテンションで言う。
すると横尾さんは倒れている2人につかつかと近づき、目線を合わせるようにしゃがむ。
「俺と内田は内部で手を引いている奴がいるんじゃないかと睨んだ。だってさすがにこいつら捕まらなさすぎじゃない?と思ってさ。どうやって警察の網を通り抜けてるのかなと考えて、俺と内田は勤怠記録を調べて犯行日と照らし合わせてみた。そしたら見事にお二人の出勤日と被りましてね。そしてこのように指示を出してかいくぐってきたんだなと分かりました」
そう言って横尾さんは課長の顎を指先でくいっと上げた。
「おい、横尾。お前、この友人とか名乗る奴らに情報漏らしてるな」
横尾さんは指先から電気を放てば課長は完全に気を失った。
「お前、まさかあそこの……」
三上さんは脅えながら言った。
あそこって何?
「へえ、知っているんですね。でもむしろ逆ですね。そこんところも後でたっぷり吐いてもらいますよ」
また横尾さんは電気を放ち、三上さんも気絶した。
こうして事件は幕を閉じた。
動機は後で話してもらうことにしよう。
まあ私も興味あるわけじゃないが。
「これから忙しくなるな」
「そうですね」
「二人ともありがとう。今日はもう帰っていいよ」
「どういたしまして」
「また何かあったら協力するわ」
藤ヶ谷さんと宮田さんはお帰りになる。
私たちはその後の対応で大忙しだった。
これからは8人への取り調べがある。
しばらくは休めないなと私は秘かに気合を入れた。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2024年3月17日 11時