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それにしても一番最初の犯行の時以外、彼らは警察の包囲網をかいくぐっている。
そりゃ完璧な網ではないとは思うけど、こんなにも繰り返されているのにどうして逃げられるのだろう。
だから私は警察の中に内通者がいるではないかと睨んでいる。
配置場所などはやり取りや指示で決まってくるのでその情報を流せば捕まることはほぼないだろう。
これはまだ私の中で留まっている見立て。
まだ見定めているところだ。
そして私は今日それを尾行して確かめようと思っている。
ターゲットは横尾さんだ。
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現場での取り調べが終わり、署に戻ると横尾さんは防犯カメラの映像を見ていた。
私の送った情報も見ている。
「何か分かりますか?」
「これといって何も。これまで何か変わってるわけじゃないし」
横尾さんはノートパソコンを閉じて立ち上がる。
「帰られるんですか?」
「ああ。明日からまた調べるよ。内田は?最近休みないんじゃない?」
「私はもう少し調べたいことがあるので」
「気を付けて帰りなね。お疲れ」
「お疲れ様です」
この人変わってる所はあるけど、周りに対してひどい態度を取ってるわけじゃないんだよな。
ただ組織の中では浮いてるってだけの話で。
そんなことを思いながら横尾さんが部屋から出たのも確認して私は立ち上がる。
そして横尾さんの後を追っていく。
私が横尾さんを怪しく思うようになったのはその浮いた行動だ。
フッといなくなることが多いし、単独行動が多い。
いつの間にか犯人を捕まえているのも怪しい。
もしかしたら外部の人間に情報を漏らしているかもしれない。
そうやって勝手に手柄を挙げといて実は裏で……ってことは十分あり得る話じゃないか。
私はそう推理したので横尾さんを尾行することにした。
横尾さんは徒歩で移動しているので私も徒歩で追う。
横尾さんの家は徒歩圏内にあるんだろうか。
少し羨ましい。
いや、家に帰るとは限らない。
もしかしたら窃盗団と会うかもしれないじゃないか。
横尾さんを尾行し続け約10分。
閑静な高級住宅街に横尾さんは入っていく。
もしかしてただの帰宅?
いやまだ分からないぞ。
横尾さんが曲がり角に入ったので私も入ろうとしたら。
「とっくにバレてるんだけど」
目の前に横尾さんが立たされていたので驚いてしまった。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2024年3月17日 11時