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「愛里さんは日隈さんにストーキング行為を?」
「……はい。自分は付き合ってる人いるくせに、どこで見つけたのか彼を追いかけ始めて、私にも別れるように求めてきて」
「何か残してありますか?」
「ラインがあります……」
そう言って見せてもらったラインの文面はそれは酷いものだった。
俊くんが証拠のために写真を撮る。
「彼が事件と関係があるのなら、どうか彼を見つけ出して下さい、お願いします」
彼女の必死さに胸を掴まれる。
「分かりました。日隈さんをお探しします」
思わずそう言って私たちは営業所を出て、車の中で会議をする。
「要は日隈さんに愛里さんを殺す同期があったということだ」
「ひとまずは日隈さんを見つけないことには……」
私とニカちゃんが話しているとき俊くんはスマホを操作し。
「あっもしもし。宮田です。……はい、至急調べていきたいことがありまして……。……えっとですね、四位康主という人物の銀行口座と四位愛里の携帯の通信履歴をお願いいたします。……はい、ありがとうございます。……失礼いたします」
俊くんは電話を切った。
「どなたと電話を?」
「俺とガヤさんの協力者」
「前に組織をぶっ潰したいのは私たちだけじゃないって言ってたね」
「Aとニカにはもしもの時のために名前教えとくね。石神慎也さん。頼りになるよ」
その方はどういう立場の人なんだろうな。
俊くんとガヤさんが零課で最強を誇れるのを認めてくれる人だから相当の肩書なのだろう。
と同時に託されたなと思った。
「その人の名前覚えとくよ。……で、こちらサイドの結論は?」
「……愛里さんの本命は日隈さんだった。でも日隈さんには彼女がいた。愛里さんは二人に色々妨害をした」
「その末に日隈さんはこの計画に……?」
「日隈さんが恨みを持つのは愛里さんだけだよね。何も一家を殺すことはない」
「ということは一家に恨みを持つのはあちらサイドが調べてる奴かな。……二人が計画した?それとも誰かが引き合わせた?」
「それが『幸せの街』?」
「これ組織が四位一家をどう思ってたかで変わるよね」
「もし良く思ってなかったら消す手間が省けるんだよな」
俊くんの言葉で恐ろしくなった。
言葉巧みにそっちの方に導けば多分容易いことだから。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2024年2月14日 15時