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「あの、青木さん。日隈さんの連絡先と営業所の場所教えていただけますか」
「はい、いいですよ……」
青木さんは戸惑っているようだ。
自分が彼氏として紹介されてないんだから仕方がない。
日隈さんの営業所と連絡先を教えてもらい、お礼も言い、次に向かうは別の営業所。
「二人はどう見てる？」
「青木さんは嘘をついていない」
「ニカと同感」
「私が聞いてる限り桑田さんも嘘をついているように見えなかった」
「つまり双方の発言に嘘はない。嘘をついているのは愛里さん？」
「何のため？」
「愛里さんにとっての本命はどっちかによるよね……」
何か掘ってはいけなかったところを掘っている気分だ。
でもこれは事件に関係あるのならば掘るしかない。
だってこの世の大体のことには理由、動機があるんだもの。
車で1時間移動して、その営業所に着いた。
試しに日隈さんの携帯に連絡したら繋がらなかった。
「すみません、警視庁の者なんですが、日隈洋さんいらっしゃいますか？」
玄関にあった電話で俊くんが尋ねる。
「えっ？一昨日から欠勤されている？……では日頃日隈さんと交流のある方をお願いできますか？……はい、そうです、四位愛里さんの件です……」
俊くんは受話器を置いた。
「欠勤されている？」
「忌引きらしいんだけど……」
「怪しい」
しばらくして1人の女性が出てきた。
「警察の方ですか？」
「はい、そうです」
「日隈さんと交流のある方ということで来たのですが……佐々木智子と申します」
「宮田と申します」
「矢作です」
「二階堂です」
「では、ご案内します」
そう言われて小会議室に案内される。
「四位さんの事件はこちらでも話題に上がるぐらいで……」
「あの……日隈さんとのご関係は？」
「お付き合いを……まさか彼と事件に関係があるんですか？」
また訳が分からなくなりそうだ。
「それはまだ何とも……日隈さんとは連絡が取れないんですか？」
「そうですよ……」
佐々木さんは涙を流す。
そして驚きのことを私たちに告げた。
「四位愛里、彼にストーカーしてたんです。もしかしたら洋は心底それが嫌になって……」
ああ、何かこちらの筋道が見えた気がする。
(俺も)
(……そういうことだよね)
俊くんとニカちゃんと呼応する。
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作者名：ユタカ２ | 作成日時：2024年2月14日 15時
