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翌日、私は俊くんとニカちゃんと一緒に愛里さんの職場を訪れた。
愛里さんはとある企業の事務として働いていたそうだ。
ここは俊くんの権力を思う存分使い、愛里さんと一番関わりのあった人を呼んで欲しいとお願いした。
すると青木孝一さんという方が名乗り出た。
ここで私はおや?と思った。
用意してもらった小会議室で疑問を解決する。
「四位愛里さんとのご関係は……?」
「お付き合いをしております」
「…………」
分からなくなってくる。
桑田さんは嘘をついていない。
この人もついている感じがしない。
「すみません、お辛いなかお訪ねしてしまって」
「いえ……仕事をしてた方が落ち着きますし、こうして彼女のことを話すことで供養にもなるかなと思って」
人の良さそうな方だなと思った。
でも今から私はこの人を傷つけてしまうかもしれないんだよな。
「あの……日隈洋さんって方ご存じですか?」
「日隈?別の営業所にいる僕の同期ですけど……」
「実は愛里さんの幼馴染の方からその日隈さんが愛里さんの彼氏だと伺ってましたんで……」
「そんなはずは……。彼女と付き合っているのは僕です。……ラインだって、写真だって、ほら」
青木さんはスマホで色々見せてくれる。
多分そこに嘘はない。
「じゃあ……青木さんと愛里さんでお出かけされている時に愛里さんに向かって怒鳴ってくる人いませんでした?」
「それよく覚えています。いきなり現れたんでびっくりしたんです。なんとか追っ払いましたけど……。彼女によると父親が金を借りてた人みたいで……金返せとそいつはのたまってました」
「あの……その様子を見た方がいて、確認のために青木さんと愛里さんのお写真をその方に見せてもいいですか?」
「わっかりました」
「俺が送っとくよ」
「ありがとう」
ニカちゃんに二人のツーショット写真を撮ってもらって安倍さんに確認してもらうことにした。
「愛里さんは3日前に消息を絶っていました。当日会う予定はございましたか?」
「いえ、休日でしたけど彼女は予定があるからと……」
刑事組によると所持品の類は見つかっていないらしい。
だから未だに空白が多いんだよな。
「A」
ニカちゃんがスマホを見せてくる。
安倍さんからのラインだった。
彼女によると安倍さんが見た彼氏さんはこの人らしい。
じゃあ日隈さんは何なの?
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2024年2月14日 15時