グランシャリオ探偵事務所へようこそ５

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「まずAからどうぞ。さらに聞けた？」



「愛里さんは誰かにストーカーされてたみたい。でも軽いノリで言われたから深くは知れなかったみたい。それと愛里さんの彼氏が分かった。日隈洋さん。あとこれは安倍さんが目撃したんだけど、愛里さんが彼氏さんと一緒にいたところ、おっさんが突然やって来て怒鳴ってきたんだって。その場は彼氏が追っ払って収まったらしいんだけど、そのおっさんも怪しそう」



少し呼吸を整える。
ここからが皆にとって重要なことだろう。



「最後に私たちにとって重要なことだと思うんだけど、四位家は『幸せの街』と関係がある。父親が小さい頃から組織にお世話になってて家計に余裕がなかったらしい」



「……それが原因かもな」



「何の？」



続いてみっくんと刑事組の出番のようだ。



「俺たちはひとまず父親、康主さんの職場を訪ねた。職場の人たちから聞かれたのは金銭トラブル。よく金を借りては返すのが遅くて一悶着あったらしい。会社の金を横領するんじゃないかと言われてた」



「じゃあその原因は組織……安倍さんが目撃したのも金銭トラブル絡み？」



「かもな。奥さんの敬子さんの職場にも愛里さんの職場にも、妹の佑里さんの職場にもご主人の金の話が伝わっていたらしいし。ニカ千はどうだ？」



「俺たちは四位家のご近所さんに尋ねてみた。近所の人たちにも金銭トラブルは噂になってたみたい。中でもとあるおっさんが怒鳴り声をあげてたのが目撃されている」



「やっぱりこの事件の裏には金銭トラブル？組織の奴らが絡んでるのが絡んでないのか。玉、映像は？」



「事件現場って古そうな街並だったよね」



「だな。あまり住宅はなかった。現場の家の周りも空き地や空き家が目立ってた」



「遺体のあった空き家の家主は既に亡くなっていて誰も相続しなかったみたいだから役所も困ってたらしい」



「だから現場周辺は期待できない。四位さんのお宅には防犯カメラはあるんだけど……刑事さんたち、被害者たちの死亡推定時刻は？」



「一昨日の夜から翌日の朝にかけてって感じみたい。4人一気に殺されたわけじゃなくてじわじわと殺されていったのかもしれないってぐらい4名とも死亡推定時刻にバラつきがある」



「四位一家はバラバラな場所で誘拐されてどこかに集められて殺されたのかもしれない」



そう言いながら玉ちゃんはタブレットを操作し、皆に見せる。



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