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「向こうがどう思っているか、あえて聞いてないから知らないし……俺には組織をぶっ潰すという目標がある。彼女には弁護士になるという夢がある。俺の目標は皆といればきっと叶えられるけど、彼女の夢は邪魔できないでしょ」
ガヤさんって真面目で不器用な人だと感じた。
まあここの人たち皆そうか。
「俺にはあんな発破かけといて?」
今度は俊くんの番だ。
「それは……明らかに俊とAは両片想いで二人が付き合うことがある種俺たちにとって必要だったというか……」
うむ、歯切れが悪い。
となったら私たちがやることは、というか元々一つしかない。
「まあひとまずは『幸せの街』をぶっ潰しましょう。それまではとやかく言いません。我々の目的を果たせたらどうしたいかよく考えて下さい」
「……はい」
ガヤさんはものすごく何か言いたそうだったけど返事はもらえたので良しとする。
「ワッターもね」
「俺にも飛び火……。大丈夫だよ、忘れてない。売上3ヶ月分の指輪でしょ」
(女王様には逆らえぬ……)
(普段は可愛いだけに女王様モードの時はマジビビる)
「お二人聞こえています」
「Aはお姫様だよ」
結局はなんかいつものやり取りに収まる。
まあ私たちらしいよね。
一頻り笑った後、ガヤさんの瞳に火が灯る。
「宗像に絶対って言っちゃったからね。絶対ぶっ潰して武藤さんの無念を晴らす!」
「その意気だよ、ガヤさん」
また一つ決意を固める。
私のすることはただ一つ。
皆の目的を果たす一助になること。
そのためだったら姫にだって、女王にだってなってやるよ。
私の心にも火が灯る。
皆のために頑張ろうってそう思えた―――。
to be continued
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2024年2月14日 15時