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あの公園でガヤさんは犯人たちの作戦会議が聞こえたという。
内容はあの4人の、女のどっちかを脅そうといったものだったらしい。
というわけでそれを利用して犯人たちを詰めたわけだ。
この事件の始まりは石川正良と池江泰絵の不倫だった。
でもそれが互いの配偶者に知られることになり4人で話し合うことになった。
それが事件の日の夜。
話し合いは紛糾し、池江一平は奥さんを絞め殺してしまった。
そのまま自首すればいいのに池江一平はずっと目をつけていた弘子さんをスケープゴートにすることをひらめき、死体を遺棄した。
石川夫妻もそれに乗ってしまった。
元々一平は妻を殺すつもりだったらしい。
だから防犯カメラを壊した。
だけどちょっと咄嗟的だったのが裏目に出たんだろう。
私が発見したタオルからは泰絵さんの指紋が出て鑑定で一致したらしく3人は逮捕となった。
俊くんとガヤさんに恐れをなした3人は大人しく供述したという。
真犯人が捕まったことで噂はなくなり、弘子さんは住んでた家に戻ってこられた。
今では池江家や石川家のことで話題は持ち切りだろう。
まったく、いい加減な人たちだ。
解決から3日後宗像さんが喫茶店にやって来た。
最初の時と同じようにガヤさんと宗像さんが向かい合って座り、私と俊くんとワッターはカウンターで二人を見ている。
「宗像とまた捜査ができて楽しかったよ」
「私もです」
私はなんだか二人をじれったく感じてしまう。
でもこの状況で言えないよな、とも思う。
「俺絶対武藤さんの事件の真相突き止めるから」
「はい。私も絶対弁護士目指します」
「うん。応援してる」
宗像さんは立ち上がる。
ガヤさんは彼女を見送る。
「じゃあ元気で」
「はい。藤ヶ谷さんも。皆さんも今回はありがとうございました」
「こちらこそ」
「お元気で」
「では」
宗像さんは去っていった。
ガヤさんそんな切ない表情するんだったらさ。
「ガヤさんさあ」
今だったら言ってしまっていいよね。
「宗像さんのこと好きだよね」
ガヤさんは溜め息を零す。
「……そうだよ」
「これでいいの?」
するとガヤさんは私と俊くんを等分に見る。
「いいんだよ」
ガヤさんはカウンター席に座った。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2024年2月14日 15時