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翌朝私は俊くんと一緒に警視庁に行った。
相変わらずいいのかなって思ってしまう。
「あの事件の捜査資料が届いたよ」
前の担当刑事さんから送られたものを私も一緒に見る。
「直接的な証拠がなくて解決に至ってないって感じだね」
「探り過ぎても文句言われちゃうかもだからね」
といった資料だった。
何でこんなにぼんやりしてるんだろう。
「こういう場合2人はどうやってはっきりさせるの?」
「現行犯逮捕できればいいんだけど」
「それで本目的を吐かせる?」
そう簡単にいくものかね。
「人間悪事をしでかすとそれを隠すためにまた新しい悪事をしでかすんだよ」
「あーミステリーものやサスペンスものでよくあるやつ」
だとしたら揺さぶるのは誰になるんだろう。
そんなことを考えてたらガヤさんのスマホがバイブする。
ガヤさんは操作をしテーブルに置いた。
宗像さんからのお電話のようだった。
「宗像おはよう」
「おはようございます。皆さんいらっしゃいますか」
「おはよう」
「おはようございます。宗像さんは今どちらに?」
「私は弘子さんから話を聞き終わって静岡のホテルにおります」
「今更かもしれないけど、宗像仕事は休んでも平気なの?」
「弁護士先生からは許可はもらってます。思う存分やってこいって言われてます」
みっくんみたいに理解ある上司なんだなと思った。
「それならいいんだ。で、武藤さんからどんな話があった?」
「はい、改めて池江さんについて伺いました。彼女はあの一帯の奥様たちを仕切っていまして、弘子さんはそういった空気にどうも乗れずでお仲間たちになろうとはしませんでした」
いたなあ、そういう同級生と思い出す。
「いるよなあ、どこの組織にもそういう奴」
「いるよねえ」
「そうすれば弘子さんをターゲットにします。謂れのないことを色々言われて、弘子さんもさすがに言い返したそうです。それで関係が改善するわけではなく冷戦状態だったそうで」
「ご主人に関しては何か言ってた?」
「ご主人も泰絵さんに加担してたみたいでごみのことで一緒にクレームを入れられたとか」
「あのさ、池江さんとその隣の家の石川さんって人に不倫疑惑があるんだけどそういった噂は聞いた?」
「不倫のお噂はあったみたいですよ。弘子さんはスルーされてたので詳しいことは知らないみたいですが」
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2024年2月14日 15時