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この一帯はまるで学校のクラスの縮図のようだ。
何かリーダー的な存在がいてその取り巻きたちがいて、誰か気に入らない人がいれば排除しようとし、それを気にしない人や自分の番になるのが嫌で何もしない人などがいる。
広富さんと話し終えた後にそう漏らせば。
「Aはどこに属してた?」
「私は助けてた。そうすれば目をつけられたけど毅然といった。今の私とあまり変わらないと思う。2人は?」
「俺はこの持ち前の笑顔と持ち前の能力と持ち前の正義感で……まあAと一緒かな」
「俺はリーダー格に目をつけられた。持ち前の顔のおかげで女子が助けてくれたけどさ。俺の能力も聞きたくないものが聞こえるから嫌になっちゃうよ」
噂はそんな縮図で広まった。
でもこの事件に噂は関係ない。
噂は後から付けられたものであることを間違えちゃいけない。
「……いるわ」
ふとガヤさんが石川さんのお宅を見た。
「えっ?居留守?」
「人の気配がするからそうだと思う」
ガヤさんの耳が察知したからきっとそうなんだろう。
「殺された泰絵さんと石川家の間には不倫疑惑がある。要チェックだな。今日はもう帰ろう」
私たちは住宅街を後にした。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2024年2月14日 15時