* ページ49
・
西谷を家まで送り、『C'monova』に戻る。
「ニカ、渉からライン来てあの会社に警察が押し寄せてるらしい」
「じゃあ色々分かるのも時間の問題だね」
彼女の実のおじいさんが結局何が目的かは知らないけど、これで偽物でショックを受ける人が減ればいいよね。
「西谷さんって良い方だね」
「でしょ」
ガヤからそう言ってもらえて嬉しい。
俺の信頼の置ける人だから。
「ああいう気性が良い人を誘いたいんだけど」
「駄目だよ」
ガヤといえどそれは一歩も譲れない。
すると千賀が笑う。
「ニカ即答かよ。それに玉が塔子ちゃん一択だからなあ」
「どうしても手が足りなかったらしょうがないけど」
彼女とは秘密を共有することになってしまった。
手が足りないときはしょうがないけど常にはさせたくない。
「でも彼女素養はあると思うよ」
「まあね」
ワッターが教えてくれたおじいさんの手口を見て内心驚いた。
まるで俺たちのように跡形もなく盗んでいったんだから。
だから俺たちはおじいさんも超能力者でその力を利用する人がいたのではという見立てをした。
「俺たちは突然変異のように超能力者になったけど、こういうのって遺伝とかあるのかな」
「どうだろう」
見た感じ西谷は普通の一般人な気がする。
少し物分かりが良すぎるのが気になるぐらいだ。
でもそういう人って結構いる気がするから気のせいだよな。
「やっと通常業務に戻れそうだよ」
俺は伸びをした。
「俺も制作に本腰入れなきゃ。ガヤさんは?」
「俺はそこまで忙しくないよ」
俺たちは「普通」に見られるために結構忙しい。
そうなると西谷の手を借りることが多くなるのかな。
まあ考えておくか。
「基本的に忙しいのは渉だよね」
「それね」
「俺たちが仕事増やしてるもんね」
刑事であるワッターは俺たちにとって頼りの綱だ。
逮捕が一番分かりやすいからついね。
「また渉からラインだ。……たまには俺のことも手伝ってよ?だって」
それに対し、ワッターの親友であるガヤさんは文字を打ち込んだ。
to be continued
・
49人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2023年12月17日 11時